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高額療養費制度改正の検討経緯に関する質問主意書
経過状況:答弁受理
令和七年度当初予算案に盛り込まれている高額療養費制度改正の検討経緯について、政府に対し、以下のとおり質問します。
質問1
三年後に年五千三百億円、高額療養費の抑制という枠組みは、いつどこで誰が決めたのか。それは、全世代型社会保障構築会議や社会保障審議会医療保険部会ではいつ議論し、了承されたのか。あるいは、了承は必要ないのか。
回答(質問1 並びに質問2 の1及び2について)
御指摘の「全世代型社会保障構築会議や社会保障審議会医療保険部会」の「了承」及び「社会保障審議会医療保険部会」の「承認」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「全世代型社会保障構築会議」においては「枠組み」について議論しておらず、また、「社会保障審議会医療保険部会」における「枠組み」及び「三段階の引上げ幅」の議論については、令和七年三月五日の参議院予算委員会において、福岡厚生労働大臣が「今回の高額療養費の見直しにつきましては、医療保険部会において、昨年の十一月二十一日、十一月二十八日、十二月五日、十二月十二日の計四回にわたり御議論いただいています。」と答弁したとおりである。その上で、「枠組みは、いつどこで誰が決めたのか」及び「三段階」の「引上げ幅は、それぞれ、誰がどの場で決めたのか」とのお尋ねについては、令和七年三月十二日の衆議院厚生労働委員会において、同大臣が「昨年末に政府が決定いたしました高額療養費制度の見直し案につきましては、様々な立場の有識者で構成される専門の審議会において、データ等に基づき、複数回にわたる議論を行っていただいた上で、最終的には、予算編成過程において、厚生労働大臣と財務大臣の合意という形で決定をしたものでございます。」と答弁しているとおりである。
質問2
年収によっては、自己負担額の七十パーセントの引上げが、高額療養費改正の当初案に含まれていた。
1 初年度と二段階目、三段階目引上げ幅は、それぞれ、誰がどの場で決めたのか。
2 この三段階の引上げ幅について、それぞれ、社会保障審議会医療保険部会の事前承認は得たのか、それとも事後承認か。承認を得た時期も含めて回答頂きたい。
3 自己負担額の七十パーセントの引上げという数字は、医療保険部会の資料には明記されていないが、非常に重要な数字と考える。なぜ、医療保険部会の資料に明記しなかったのか。
回答(質問1 並びに質問2 の1及び2について)
御指摘の「全世代型社会保障構築会議や社会保障審議会医療保険部会」の「了承」及び「社会保障審議会医療保険部会」の「承認」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「全世代型社会保障構築会議」においては「枠組み」について議論しておらず、また、「社会保障審議会医療保険部会」における「枠組み」及び「三段階の引上げ幅」の議論については、令和七年三月五日の参議院予算委員会において、福岡厚生労働大臣が「今回の高額療養費の見直しにつきましては、医療保険部会において、昨年の十一月二十一日、十一月二十八日、十二月五日、十二月十二日の計四回にわたり御議論いただいています。」と答弁したとおりである。その上で、「枠組みは、いつどこで誰が決めたのか」及び「三段階」の「引上げ幅は、それぞれ、誰がどの場で決めたのか」とのお尋ねについては、令和七年三月十二日の衆議院厚生労働委員会において、同大臣が「昨年末に政府が決定いたしました高額療養費制度の見直し案につきましては、様々な立場の有識者で構成される専門の審議会において、データ等に基づき、複数回にわたる議論を行っていただいた上で、最終的には、予算編成過程において、厚生労働大臣と財務大臣の合意という形で決定をしたものでございます。」と答弁しているとおりである。
回答(質問2 の3について)
お尋ねについては、令和七年三月四日の衆議院予算委員会において、福岡厚生労働大臣が「審議会での議論におきましては、社会経済情勢の変化に応じた引上げとして、自己負担限度額を五パーセントから十五パーセントの一律の率で引き上げた場合の試算結果をお示しするとともに、それとは別に、所得区分ごとの細分化による引上げとして、現行の大くくりの所得区分を細分化し、各区分の収入に応じた自己負担限度額の引上げを行うことをお示ししたところでございます。併せて、全体の引上げのイメージ図もお示ししてございまして、今回の見直しがこうした二つの引上げによる見直しであることは十分説明していると考えてございまして、最大十五パーセントと説明したのに」、「七十三パーセントの引上げを行うものといった御指摘は当たらないものと思います。」と答弁したとおりであり、御指摘の「医療保険部会の資料」に当該「全体の引上げのイメージ図」等を示したものである。
質問3
高額療養費の自己負担額を七十パーセント引き上げることを含めて、高額療養費抑制の総額、枠組みの変更は、社会保障審議会医療保険部会の了承は不要なのか。不要であるならば、決定権は、誰に、どの審議会や会議体にあるのか。
回答(質問3 について)
御指摘の「枠組みの変更」、「社会保障審議会医療保険部会の了承」及び「決定権」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、高額療養費制度の見直しに係る決定については、令和七年三月十二日の衆議院厚生労働委員会において、福岡厚生労働大臣が「医療保険部会で御議論いただいた方向性に沿って、政府として決定をするということでございます。」と答弁しているとおりである。
質問4
昨年十一月十五日の全世代型社会保障構築会議について
1 議題は何だったか。また、議題外の高額療養費について、どの委員がどのような趣旨の発言をされたか、合計何人が高額療養費について発言されたか。
2 この会議の議題に、高額療養費を入れなかった理由は何か。さらに、議題外の高額療養費の発言が相次いだのは、同月十三日の財政制度等審議会財政制度分科会で、高額療養費制度の見直しが財務省提出の資料に盛り込まれ、議論されたことと関係があると政府は考えるか。
回答(質問4 及び質問5 について)
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、令和六年十一月十五日に開催した全世代型社会保障構築会議(以下「会議」という。)においては、「全世代型社会保障の構築に向けた今後の進め方について」及び「「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」の検討状況について」を議事とし、資料一「第十一回全世代型社会保障構築本部における総理発言」、資料二「「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」の検討状況について(地域医療構想、医師偏在対策、かかりつけ医機能等)」、資料三「「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」の検討状況について(地域共生社会関係)」、「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」(令和五年十二月二十二日閣議決定。以下「改革工程」という。)の概要資料が含まれる参考資料一「全世代型社会保障構築について(令和六年十一月八日 第十一回全世代型社会保障構築本部 資料一)」等が配布され、厚生労働省等から報告が行われ、議論が行われたところである。その上で、改革工程には「高額療養費自己負担限度額の見直し」が記載されているところ、高額療養費制度に関しては、六人の構成員から、それぞれの知見や経験等に基づいて、発言がなされたものと考えている。なお、会議の議事録は内閣官房のウェブサイトにおいて全て公表しているところである。
質問5
四について、これらの委員が議題外の高額療養費について全世代型社会保障構築会議で発言されることを、厚生労働省や財務省、内閣官房の担当部署は、事前に把握していたのか。あるいは、委員に、議題に入っていない高額療養費について、発言するように政府担当者が促した事実はあるのか。
回答(質問4 及び質問5 について)
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、令和六年十一月十五日に開催した全世代型社会保障構築会議(以下「会議」という。)においては、「全世代型社会保障の構築に向けた今後の進め方について」及び「「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」の検討状況について」を議事とし、資料一「第十一回全世代型社会保障構築本部における総理発言」、資料二「「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」の検討状況について(地域医療構想、医師偏在対策、かかりつけ医機能等)」、資料三「「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」の検討状況について(地域共生社会関係)」、「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」(令和五年十二月二十二日閣議決定。以下「改革工程」という。)の概要資料が含まれる参考資料一「全世代型社会保障構築について(令和六年十一月八日 第十一回全世代型社会保障構築本部 資料一)」等が配布され、厚生労働省等から報告が行われ、議論が行われたところである。その上で、改革工程には「高額療養費自己負担限度額の見直し」が記載されているところ、高額療養費制度に関しては、六人の構成員から、それぞれの知見や経験等に基づいて、発言がなされたものと考えている。なお、会議の議事録は内閣官房のウェブサイトにおいて全て公表しているところである。
質問6
昨年十一月二十一日に、社会保障審議会医療保険部会で、高額療養費の自己負担額引上げの議論がスタートした。
1 この医療保険部会の開催は、同月十五日の全世代型社会保障構築会議を受けて、開催を決めたのか。
2 全世代型社会保障構築会議より前に開催を決め、さらには高額療養費の自己負担額引上げを議論することを決めていたのか。それとも議題を追加したのか。
3 同月二十一日から議論をスタートし、年末までに結論を得ることが、拙速と政府は考えなかったのか。
回答(質問6 の1及び2について)
御指摘の「同月十五日の全世代型社会保障構築会議を受けて」、「全世代型社会保障構築会議より前に」及び「議題を追加した」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「昨年十一月二十一日」の「医療保険部会の開催」については、「「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」の検討状況について」を議事とする「同月十五日の全世代型社会保障構築会議」の開催の予定を踏まえ、同月十三日に開催を決定したものであり、高額療養費制度について「議論すること」については、改革工程に「高額療養費自己負担限度額の見直し」が記載されているとおり、政府としては、従来から、検討すべき課題と認識していたところ、「高額療養費自己負担限度額の見直し」を含む改革工程に掲げられた内容について議論することとして、「医療保険制度改革について」を「議題」とすることを決めたものである。
回答(質問6 の3について)
お尋ねについては、令和七年二月十七日の衆議院予算委員会において、福岡厚生労働大臣が「審議会のメンバーには、幅広い見識をお持ちの方々に、様々なデータを用いて、四回にわたって御議論をいただいています。過去の事例を見直しても、そこが欠けた議論だったというふうには認識をしておりませんが、その後、様々な国会での御指摘もありました。」と、また、同年三月十二日の衆議院厚生労働委員会において、同大臣が「今回の高額療養制度の見直しに当たりましては、専門家の方々で構成されます審議会におきまして様々なデータに基づき御議論をいただいて決定したところでございますが、他方で、その審議会において患者団体様からのヒアリング等については今回も行わなかったということ、このような検討プロセスが丁寧さに欠くんじゃないかという御指摘をいただいている点ということについては、重く受け止める必要があるというふうに考えてございます。今後、本年秋までに改めて方針を検討し、結論を得ていくこととしておりますが、その際には患者団体さんを含む関係者の御意見もよく伺いながら検討を進めてまいります。」と答弁しているとおりである。