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九州新幹線西九州ルートの整備費負担に関する質問主意書
経過状況:答弁受理
九州新幹線西九州ルートは、いわゆる整備新幹線の一つで、博多〜長崎間を結ぶものであるが、このうち博多〜新鳥栖間及び武雄温泉〜長崎間は新幹線の線路を走行し、新鳥栖〜武雄温泉間は現在の在来線を走行するものとして計画された。この実現のため、新幹線と在来線の異なる線路幅を走行できるフリーゲージトレインの導入が計画されたが、同車両の開発は頓挫し、これを受けた平成二十八年の合意に基づき、博多からの在来線特急の武雄温泉駅での同一ホームの対面乗換え(リレー方式)を伴う形で、令和四年に武雄温泉〜長崎間の西九州新幹線が開業した。
質問1
九州新幹線西九州ルートは冒頭に述べたような経緯をたどっているものと認識している。新鳥栖〜武雄温泉間の整備方式については、佐賀県は、在来線を走行する当初計画を基本に、様々な整備方式を検討することを主張しており、政府・与党は、フル規格での整備を推進しようとしていると認識している。
一方で、佐賀県の負担という面で考えると、フリーゲージトレインを活用する当初計画では、整備費負担はゼロであるのに対し、フル規格では政府試算で約六百六十億円の負担が見込まれるという。
1 政府・与党が推進するフル規格での整備は、外形的には、武雄温泉〜長崎間を先行開業させ、それを既成事実に残余の新鳥栖〜武雄温泉間についてもフル規格の整備を推し進めようとしているようにも見える。新鳥栖〜武雄温泉間において、沿線に新たな整備費負担を生じさせても、フル規格での整備が最善であると考える理由をうかがいたい。
2 当初計画とフル規格で整備する場合では地元の負担は大きく異なる。六百六十億円という巨額の負担を伴う案が、後出しのような形で出てくるのならば、沿線からフル規格整備は必要なしとの声が上がるのも当然であり、それでもフル規格を推進しようとする政府の姿勢が、現在の新鳥栖〜武雄温泉間の整備の議論の膠着の原因と考える。
膠着した議論を打破するには、佐賀県をはじめとする地元に整備費負担以上のメリットを示すか、地元の負担を軽減するしか方法はないと考える。もちろん整備新幹線の地元負担は法で負担割合が定められており、簡単に負担割合を変えられないことは承知しているが、現在の議論を前に進めるためにも、新鳥栖〜武雄温泉間をフル規格で整備することによる整備費負担以上の具体的な地元のメリット、及びこの区間の整備費の地元負担の軽減について政府の考えをうかがいたい。
回答(質問1 の1について)
お尋ねについては、令和元年八月五日に与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム九州新幹線(西九州ルート)検討委員会が取りまとめた「九州新幹線(西九州ルート)の整備のあり方等に関する基本方針」において、「フル規格については、建設費が大きいなどの課題はあるものの、時間短縮効果及び収支改善効果が大きく、全国的な新幹線ネットワークとしての整備効果が最大限発揮される方式である。(中略)新鳥栖〜武雄温泉間については・・・フル規格(複線)により整備することが適当と判断する」とされ、国土交通省としても、令和六年十一月十二日の記者会見において、中野国土交通大臣が述べているとおり、「フル規格で整備されれば、西九州地方と関西・中国地方が新幹線ネットワークで繋がっていくということで、観光やまちづくりなどに、多くの面で非常に大きな効果が現れる」と考えている。
回答(質問1 の2について)
前段のお尋ねについては、お尋ねの「具体的な地元のメリット」については、御指摘の「整備費負担」と単純に比較できるものではないことから、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、一の1についてで述べたとおり、「観光やまちづくりなどに、多くの面で非常に大きな効果が現れる」と考えている。
後段のお尋ねについては、先の答弁書(令和六年二月十三日内閣衆質二一三第三五号。以下「前回答弁書」という。)二の1について、二の2及び3について並びに二の4についてでお答えしたとおりである。
質問2
仮に新鳥栖〜武雄温泉間をフル規格で整備し、新幹線が長崎まで直通できることとなった場合、その恩恵は長崎県の方が大きいと考えられる。例えば、長崎〜博多間の所要時間は、現行約一時間三十分が約五十分となり四十分程度の時間短縮効果があるが、佐賀〜博多間は現行約三十五分が約二十分と十五分程度の時間短縮にとどまる。
これに対し、フル規格整備の場合の佐賀県の負担は、一で見たように政府試算で六百六十億円であるが、佐賀県は最近の建設費や他線区の状況から、負担は千四百億円以上となると指摘している。
また、前記のように新鳥栖〜武雄温泉間をフル規格で整備した場合、その恩恵は長崎県の方が大きいにもかかわらず、長崎県が西九州新幹線整備に負担した約六百億円よりも多額の整備費を佐賀県が負担しなければならないこととなるのは不合理であり、佐賀県は整備費負担は長崎県が負担した六百億円の二分の一以下とすることを主張している。
1 最近の建設費の上振れ等を考慮しているとしても、政府の言う六百六十億円という負担と佐賀県の言う千四百億円の負担は大きく乖離している。この差について、政府の見解をうかがうとともに、最近の物価上昇等を考慮した場合の佐賀県の負担が六百六十億円からどの程度変わると見込まれるのか、政府の見解をうかがいたい。
2 前記のとおり、仮に新鳥栖〜武雄温泉間をフル規格で整備した場合、現行の方法に基づいた佐賀県の負担は、整備による恩恵を考えると過剰であると考えられる。例えば、整備費は各地域が得られる経済効果を基に受益と負担を考慮し負担割合を決めることとする等、整備費負担は整備効果と併せて考える必要があると考えるが、政府の見解をうかがいたい。
3 佐賀県の令和五年度の一般会計予算を見ると、その歳入総額は約五千六百億円であり、うち自主財源は約二千五百億円である。これに対し歳出は人件費や公債費の義務的支出だけでも約二千百億円に達している。佐賀県が指摘したフル規格整備の場合の県負担約千四百億円は、もちろん単年度で県が負担するものでないことは承知しているが、毎年の佐賀県の財政において過重な負担を生じ、財政を圧迫させるのではないかと危惧する。仮に佐賀県負担が千四百億円であった場合、負担が同県の財政に与える影響について政府の見解をうかがいたい。
回答(質問2 の1について)
前段のお尋ねについては、御指摘の「佐賀県の言う千四百億円の負担」について、詳細を把握しておらず、お答えすることは困難である。
後段のお尋ねについては、政府として試算を行っていない。
回答(質問2 の2について)
お尋ねの「整備効果と併せて考える」ことを含め、お尋ねの「整備費負担」に係る見直しについては、前回答弁書二の4についてでお答えしたとおりである。
回答(質問2 の3について)
お尋ねについては、仮定の質問であり、お答えすることは困難である。