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ディープフェイク技術を悪用した性的コンテンツに関する質問主意書

経過状況:

答弁受理

提出者 八幡愛
会派 れいわ新選組
公式リンク 第217回国会 / 質問答弁

近年、人工知能(AI)の発展に伴い、いわゆるディープフェイク技術が急速に進化し、個人の顔や身体を合成した偽造映像の作成が容易になっている。

特に、被害者が実際には関与していないにもかかわらず、あたかも性的な行為を行っているかのように見せかけるいわゆるディープフェイクポルノの流通が増加しており、個人の尊厳を著しく傷つけ、社会的信用を失墜させる危険性が高まっている。

しかし、現在の日本の法制度では、このようなディープフェイク技術を悪用した性的コンテンツの被害に対して、十分な規制や被害者救済の枠組みが整っていないと考える。

このような問題を踏まえ、政府に対し以下の事項について質問する。

質問1

現行法において、ディープフェイク技術を悪用した性的コンテンツの制作および拡散を直接的に禁止する規定が存在しないため、政府はこれらの行為に対して十分な法的対応を行うことができないと考えるが、その認識で相違ないか。

回答(質問1 について)

 御指摘の「ディープフェイク技術を悪用した性的コンテンツの制作および拡散を直接的に禁止する規定」及び「これらの行為」に対する「十分な法的対応」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、一般論として申し上げれば、捜査機関においては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき適切に対処しているものと承知している。

質問2

海外では、ディープフェイクポルノの制作・拡散に対する刑事罰を明確化し、加害者に対する厳罰化が進められている。日本においては現在の法制度では同様の措置を講じることができないと考えるが、その認識で相違ないか。

回答(質問2 について)

 御指摘の「海外では、ディープフェイクポルノの制作・拡散に対する刑事罰を明確化し、加害者に対する厳罰化が進められている。」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

質問3

ディープフェイク技術を悪用した性的コンテンツの拡散を防ぐため、インターネットプラットフォームやSNS事業者に対し、違法コンテンツの迅速な削除や被害者救済措置を義務付ける規制が現行法では十分に存在しないため、政府としてこれらの事業者に対して強制的な措置を講じることができないと考えるが、その認識で相違ないか。

回答(質問3 について)

 御指摘の「違法コンテンツの迅速な削除や被害者救済措置を義務付ける規制」及び「十分に存在しない」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律(令和六年法律第二十五号)による改正後の特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)において、大規模なSNS等を提供する事業者(以下単に「事業者」という。)に対し、特定電気通信(同法第二条第一号に規定する特定電気通信をいう。)による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者から、侵害情報送信防止措置(同法第二条第八号に規定する侵害情報送信防止措置をいう。)を講ずるよう事業者に申出があったときは、当該措置を講じたか否かの結果を一定の期間内に申出者に通知すること等が義務付けられ、事業者がこれに違反していると認められるときは、総務大臣による勧告及び命令の対象となる。

質問4

ディープフェイク技術の発展により、児童ポルノの分野でも被害が拡大する懸念がある。現在のいわゆる児童ポルノ禁止法の適用範囲ではAIによる偽造ポルノを十分に規制することができないと考えるが、その認識で相違ないか。

回答(質問4 について)

 御指摘の「児童ポルノ禁止法の適用範囲ではAIによる偽造ポルノを十分に規制することができない」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

質問5

ディープフェイク技術を悪用した被害者に対し、現行の被害者支援制度では法的・心理的な支援が十分ではないため、政府として適切な救済措置を講じることが難しいと考えるが、その認識で相違ないか。

回答(質問5 及び質問7 について)

 御指摘の「ディープフェイク技術を悪用した被害者」、「法的・心理的な支援が十分ではない」、「適切な救済措置」及び「リベンジポルノ被害防止法では、ディープフェイク技術を用いた偽造ポルノが適用範囲に明確に含まれておらず、そのために被害者が適切な法的措置をとることが困難になっている」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、犯罪被害者等への支援については、府省庁横断的な対策が講じられてきたところであり、引き続き適切に対応してまいりたい。

質問6

ディープフェイク技術を悪用した性的コンテンツの拡散が、現行の名誉毀損罪および侮辱罪の適用範囲に明確に含まれていないため、政府はこれらの罰則を適用することができないと考えるが、その認識で相違ないか。

回答(質問6 について)

 御指摘の「ディープフェイク技術を悪用した性的コンテンツの拡散」の具体的に意味するところが明らかではなく、また、犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき個々に判断されるべき事柄であることから、お答えすることは困難であるが、一般論として申し上げれば、性的な内容の画像等を流通させる行為については、それが「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した」に当たる場合には刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百三十条第一項の名誉毀損罪が、「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した」に当たる場合には同法第二百三十一条の侮辱罪が、それぞれ成立し得る。

質問7

現在のいわゆるリベンジポルノ被害防止法では、ディープフェイク技術を用いた偽造ポルノが適用範囲に明確に含まれておらず、そのために被害者が適切な法的措置をとることが困難になっていると考えるが、その認識で相違ないか。

回答(質問5 及び質問7 について)

 御指摘の「ディープフェイク技術を悪用した被害者」、「法的・心理的な支援が十分ではない」、「適切な救済措置」及び「リベンジポルノ被害防止法では、ディープフェイク技術を用いた偽造ポルノが適用範囲に明確に含まれておらず、そのために被害者が適切な法的措置をとることが困難になっている」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、犯罪被害者等への支援については、府省庁横断的な対策が講じられてきたところであり、引き続き適切に対応してまいりたい。