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我が国産業の国際競争力の低下に関する質問主意書
経過状況:答弁受理
近年、我が国産業の国際競争力の低下が国内外で広く指摘されており、特にハイテク分野において顕著である。世界銀行の統計によれば、我が国のハイテクノロジー製品の輸出額はベトナムやメキシコといった新興国にも後れを取っている。
このような状況となったのは、新興国の成長といった外部的要因にとどまらず、我が国の産業構造の変化のほか、知的財産の軽視や緊縮財政・増税路線の継続といった政府の政策が背景にあると考えられる。また、政府による産業政策が他国に比べて不十分であったのではないかと考えられる。
これらを踏まえ、我が国産業の国際競争力の低下について、以下、質問する。
質問1
経済産業省がこれまで主導してきた国家プロジェクトの多くが失敗しており、その要因として、官僚は業界の実態に疎く意思決定も遅いことや、頻繁な異動により「長期」の責任を負える立場にもないこともあげられる。さらに、天下りや多額の企業献金といった実態もあり、政官財の癒着を断ち切らない限り、産業政策を講じたとしても、過去の産業政策の失敗を繰り返すことになると考えるが、政府の産業政策の今後の方針について伺いたい。
回答(質問1 について)
御指摘の「経済産業省がこれまで主導してきた国家プロジェクト」、「失敗」、「官僚は業界の実態に疎く意思決定も遅い」、「「長期」の責任を負える立場にもない」及び「政官財の癒着」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「政府の産業政策の今後の方針」については、経済産業省として、我が国の産業の国際競争力の強化に向けた産業政策の実行に当たって、中長期的な視点に立ち、官民による、新規の投資を含む、付加価値の向上や新たな市場の創出に向けて取り組むことが重要であると考えており、現在、「経済財政運営と改革の基本方針二〇二四」(令和六年六月二十一日閣議決定)や「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画二〇二四改訂版」(令和六年六月二十一日閣議決定)などに盛り込んでいる我が国の産業の国際競争力の強化に必要な施策を講じているところであり、引き続き、我が国の産業を取り巻く情勢を踏まえながら、必要な支援策を不断に検討し、実施していく考えである。
質問2
我が国のものづくり産業においては、半導体製造装置や半導体の素材、また、航空機に使われる炭素繊維やリチウムイオン電池のセパレーターをはじめ、部品や素材といった分野に強みがある。こうした、我が国が高い競争力を有しているものづくりの基礎となる部品や素材の開発には長い期間を要するものもある。このため、部品や素材の開発力や市場での競争力をさらに強化していくための政策を長期間にわたって戦略的に講じていく必要があると考えるが、政府の取組について伺いたい。
回答(質問2 について)
お尋ねの「部品や素材の開発力や市場での競争力をさらに強化していくための政策を長期間にわたって戦略的に講じていく必要」については、経済産業省として、御指摘のような産業上の分野ごとに中長期的な戦略を策定し、これに基づく施策を講じているところである。
質問3
右記のように、長期間にわたる開発を行うためには企業も中長期的な視点に立って経営を進めて行く必要がある。このためには、株主だけのために短期的な利益を追求し、最優先で利益を分配する考え方である「株主資本主義」から、従業員、顧客、取引先のほか、地域社会、国全体までもが利害関係者であって、会社の利益をこれらの幅広いステークホルダーに対して分配することで社会への貢献を果たすという「公益資本主義」の考え方への転換が重要であると考える。企業が中長期的な視点から開発を行えるような投資環境を整備する必要があると考えられるが、これに向けての政府の取組について伺いたい。
回答(質問3 について)
お尋ねの「企業が中長期的な視点から開発を行えるような投資環境」の「整備」に向けては、経済産業省として、我が国の企業の予見可能性を確保することが重要であると認識しており、我が国の産業の国際競争力の強化に向けて、予算措置や税制措置等により、企業における中長期的な視点での投資を促進している。