分かりやすい衆議院・参議院

TOP > 質問主意書・答弁書 > 八幡愛:アニメーション人材育...

アニメーション人材育成調査研究事業の成果活用状況及び今後の取組に関する質問主意書

経過状況:

答弁受理

提出者 八幡愛
会派 れいわ新選組
公式リンク 第217回国会 / 質問答弁

日本国は、二〇一〇年度より文部科学省・文化庁が税金を投入して実施しているアニメーション人材育成調査研究事業(以下、「本事業」という。)を通じ、数多くの優れた作品及びクリエイターの輩出に寄与してきた。

しかしながら、これらの成果の中には、DVD化や地上波放送、各種配信サイトでの放映実績が十分に確保されず、広く一般に普及されていない作品が多い現状があると考える。

アニメ制作においては、原画、設定資料、脚本等の中間素材が作成されるが、これらを無料で公開し、若いクリエイターやアニメに関心を持つ学生等の学習資源として活用することが、産業の発展及び文化の承継に大いに寄与すると考える。

よって、以下の点について政府の見解を問う。

質問1

若手アニメーター育成プロジェクトによる各年度別制作作品の普及状況について

1 二〇一〇年度(開始初年度)の「PROJECT A」により制作されたすべての作品について、DVD化、地上波放送、及び配信サイトでの放映実績について、政府が把握している統計をそれぞれ可能な限り示されたい。

2 二〇一一年度から二〇一四年度に実施された「アニメミライ」により制作されたすべての作品について、同様にDVD化、地上波放送、及び配信サイトでの放映実績について、政府が把握している統計をそれぞれ可能な限り示されたい。

3 二〇一五年度から二〇二〇年度に実施された「あにめたまご」により制作されたすべての作品について、DVD化、地上波放送、及び配信サイトでの放映実績について、政府が把握している統計をそれぞれ可能な限り示されたい。

4 二〇二一年度以降に実施された「あにめのたね」により制作されたすべての作品について、DVD化、地上波放送、及び配信サイトでの放映実績について、政府が把握している統計をそれぞれ可能な限り示されたい。

回答(質問1 の1について)

 お尋ねの「DVD化」及び「放映実績」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、文化庁が一般社団法人日本アニメーター・演出協会(以下「日本アニメーター・演出協会」という。)に委託して実施した「「PROJECT A」により制作された」作品は四点であるところ、日本アニメーター・演出協会によれば、現時点で、当該作品の全てが光ディスクに記録・販売され、また、「配信サイト」において放送され、当該作品のうち一点が「地上波放送」されたと承知している。

回答(質問1 の2について)

 お尋ねの「DVD化」及び「放映実績」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、文化庁が日本アニメーター・演出協会又は一般社団法人日本動画協会(以下「日本動画協会」という。)に委託して実施した「「アニメミライ」により制作された」作品は十六点であるところ、日本アニメーター・演出協会及び日本動画協会によれば、現時点で、当該作品の全てが「地上波放送」され、当該作品のうち十五点が光ディスクに記録・販売され、十二点が「配信サイト」において放送されたと承知している。

回答(質問1 の3について)

 お尋ねの「DVD化」及び「放映実績」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、文化庁が日本動画協会に委託して実施した「「あにめたまご」により制作された」作品は十九点であるところ、日本動画協会によれば、現時点で、当該作品のうち五点が光ディスクに記録・販売され、十六点が「地上波放送」され、六点が「配信サイト」において放送されたと承知している。

回答(質問1 の4について)

 お尋ねの「DVD化」及び「放映実績」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、文化庁が日本動画協会に委託して実施した「「あにめのたね」により制作された」作品は十六点であるところ、日本動画協会によれば、現時点で、当該作品のうち十点が「配信サイト」において放送されたと承知している。

質問2

中間素材の公開と活用について

1 本事業により制作された各作品において、原画、設定資料、脚本などの中間素材がどのように保存・管理されているか、現状の運用状況について政府の把握するところを示されたい。

2 これらの中間素材を、クリエイターやアニメに関心を持つ学生等の学習資源として無料公開する可能性について、現状の検討状況及び今後の政策検討の有無について政府の認識をそれぞれ示されたい。

3 税金によって制作されたアニメの中間素材の無料公開が、国全体のアニメクリエイターのスキル向上や産業全体の技術伝承に寄与すると政府は考えるか、具体的な見解を示されたい。

回答(質問2 の1及び2について)

 お尋ねの「現状の運用状況」及び「無料公開」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「若手アニメーター等人材育成事業」及び「アニメーション人材育成調査研究事業」(以下これらを合わせて「育成事業」という。)は、事業者による作品の制作を通じた人材育成を目的とするものであり、当該作品に係る「原画、設定資料、脚本などの中間素材」は、一義的には当該事業者において管理されるべきものであり、政府として、「中間素材がどのように保存・管理されているか」について把握していない。また、その公開については、現在検討しておらず、今後も検討する予定はない。

回答(質問2 の3について)

 お尋ねの「中間素材の無料公開」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、また、お尋ねは仮定の質問であるため、お答えすることは困難である。

質問3

各作品のIPの所在について

1 上記各年度において制作されたすべての作品の知的財産(IP)の権利の所在について、現状どのような形態で保有されているのか、政府の把握する具体的な状況を示されたい。

2 それらのIPが、国ではなく、クリエイター、制作会社、またはその他の第三者に帰属している場合、帰属割合や契約内容等について、関連する情報も含めて、政府の把握するところを示されたい。

3 これらのIPの活用状況について、国がアニメ産業を基幹産業として本気で育成しようとしている姿勢を示すため、どのような施策を講じているか、具体的な方策や計画について政府の見解を示されたい。

回答(質問3 について)

 お尋ねの「作品の知的財産(IP)の権利の所在」、「帰属割合や契約内容等」、「IPの活用状況」及び「国がアニメ産業を基幹産業として本気で育成しようとしている姿勢」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

質問4

成果普及促進及び今後の支援策について

1 本事業で生み出された作品及びIPの普及促進に向け、政府はどのような政策及び支援策を講じているか。特に、税金が投入された本事業の成果を有効活用し、国内外に広く普及させるための具体策を明示されたい。

2 未だDVD化や放映実績が十分に確保されていない作品について、今後の普及・商業化に向けた支援策について政府の見解を示されたい。

3 国際的な文化発信としての日本アニメの役割を踏まえ、本事業の今後のIP活用及び中間素材の無料公開を含む普及戦略に関する長期的なビジョンを、政府はどのように描いているか、具体的な計画を示されたい。

回答(質問4 の1について)

 「作品」の「普及促進」に関するお尋ねについては、その具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、育成事業は、事業者による作品の制作を通じた人材育成を目的とするものであり、文化庁においては、当該目的に沿って、同庁主催のイベントにおいて作品を上映する機会を提供するなどしている。

 「IPの普及促進」に関するお尋ねについては、その具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

回答(質問4 の2及び3について)

 お尋ねの「未だDVD化や放映実績が十分に確保されていない作品」及び「本事業の今後のIP活用及び中間素材の無料公開を含む普及戦略に関する長期的なビジョン」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、四の1についてで述べたとおり、育成事業は、事業者による作品の制作を通じた人材育成を目的とするものであり、文化庁としては、当該目的に沿って、育成事業の成果の関係業界等への普及に取り組んでまいりたい。