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拉致問題等と国民の知る権利に関する質問主意書

経過状況:

答弁受理

提出者 有田芳生
会派 立憲民主党
公式リンク 第217回国会 / 質問答弁

いわゆる日朝ストックホルム合意において、北朝鮮側は、拉致被害者及び拉致の疑いが排除できない行方不明者(以下、「拉致被害者等」という)の調査を実施することを約束しています。拉致被害者等の家族・親族に対する情報提供について何点かお尋ねします。

質問1

政府は、内閣参質一八三第三号において、「各都道府県警察において、行方不明者の親族等に対し、捜査・調査に支障のない範囲で、その状況を説明しているものと承知している」と答弁しています。

1 令和七年一月一日現在で行方不明者は全国に何名存在していますか。政府の把握するところをお答えください。

2 答弁にある「捜査・調査に支障のない範囲」とは、行方不明者の捜査・調査に支障がある情報は親族等に提供していないということですか。明確にお答えください。

回答(質問1 及び質問6 について)

 警察が捜査・調査している、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者の数は、令和七年一月一日現在で八百七十一名である。

 都道府県警察においては、犯罪捜査規範(昭和三十二年国家公安委員会規則第二号)第十条の三に基づき、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者の親族等に対し、捜査・調査に支障のない範囲で、その状況を説明しているものと承知しており、お尋ねのように「政府が、国民の知る権利を侵害している」とは考えていない。いずれにせよ、いわゆる国民の知る権利については、十分尊重されるべきものと認識しており、今後とも、これらの親族等の心情等に配慮しつつ、適切な対応を行っていくものと認識している。

質問2

行方不明者の捜査・調査段階の行政文書の公開については、刑事司法手続における被疑事件・被告事件に関して作成された書類として、刑事訴訟法第五十三条の二の「訴訟に関する書類」に該当することから非公開となるのが現状です。

そこでお尋ねしますが、行方不明者の生存が確認された時点、あるいは行方不明者の死亡が確定した時点で、それまでの捜査・調査段階の行政文書は親族等の求めがあれば公開できるのですか。公開できない場合、親族等が、拉致被害者等の捜査・調査に関係する情報の全貌を知ることは、いつになったら可能になるのですか。

回答(質問2 について)

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、一般に、行政機関の保有する行政文書については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)第三条の規定により、何人も、同法の定めるところにより、行政機関の長に対し、その開示の請求をすることができるとされているところであり、当該行政機関の長は、当該請求があったときは、同法第五条の規定により、当該請求に係る行政文書に同条各号に定める不開示情報が記録されている場合を除き、当該行政文書を開示しなければならないとされているところである。また、行政機関又は地方公共団体の機関の保有する自己を本人とする保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。以下同じ。)については、個人情報の保護に関する法律第七十六条第一項の規定により、何人も、同法の定めるところにより、行政機関の長又は地方公共団体の機関に対し、その開示の請求をすることができるとされているところであり、当該行政機関の長又は当該地方公共団体の機関は、当該請求があったときは、同法第七十八条第一項の規定により、当該請求に係る保有個人情報に同項に規定する不開示情報が記録されている場合を除き、当該保有個人情報を開示しなければならないとされているところである。さらに、地方公共団体の保有する行政文書の開示の請求については、一般に、それぞれの地方公共団体の情報公開条例に基づき、当該行政文書を保有する地方公共団体の機関に対して行うこととなるものと承知している。

 他方で、訴訟に関する書類については、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第五十三条の二第一項の規定により、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の規定は適用しないこととされ、また、訴訟に関する書類に記録されている個人情報については、同条第二項の規定により、個人情報の保護に関する法律第五章第四節の規定は適用しないこととされている。

質問3

拉致被害者等の捜査・調査に関する情報は、特定秘密の保護に関する法律(平成二十五年法律第百八号)の対象となる情報ですか。対象となる場合、国務大臣、国会議員、政府関係者及び各都道府県警察の担当者が拉致被害者等の捜査・調査段階の情報を親族等に提供すれば何という法律の処罰対象となるのですか。

回答(質問3 について)

 前段のお尋ねについては、御指摘の「拉致被害者等の捜査・調査に関する情報」が具体的にどのようなものを指すのか明らかではないが、一般に、特定秘密(特定秘密の保護に関する法律(平成二十五年法律第百八号)第三条第一項に規定する特定秘密をいう。以下同じ。)の指定については、対象となる情報について、同項に規定する要件を満たすかどうかを個別具体的な状況に即して判断する必要があり、一概にお答えすることは困難である。

 後段のお尋ねについては、仮定の質問であり、お答えすることは差し控えたいが、その上で、一般論として申し上げれば、特定秘密の取扱いの業務に従事する者については、同法第二十三条第一項において、「その業務により知得した特定秘密を漏らしたときは、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する」こととされている。

質問4

外務省北東アジア課が、平成二十六年十月一日付けで作成した「日朝外交当局間会合」と題する文書(以下、「この文書」という)において、「問六 拉致の可能性が排除できない八百八十三名の行方不明者のリストを北朝鮮側に提供したのか。今後、提供する考えはあるのか」との問いに対し、「八百八十三名の行方不明者のリストを北朝鮮に提供済みであるか否かについては、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えを差し控えたい」との答弁を用意しています。

1 政府はこれまでに行方不明者のリストを北朝鮮側に提供したことは一度もないのですか。

2 外務省、拉致問題対策本部事務局を含む及びストックホルム合意に関係する政府各府省庁は、警察庁が作成している八百八十三名の行方不明者のリストを保有しているのですか。明確にお答え下さい。

回答(質問4 について)

 お尋ねについては、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えは差し控えたい。

質問5

この文書における「今後の対応に支障を来すおそれ」とは、具体的にどのようなおそれを想定しているのですか。また、「今後の対応に支障を来すおそれ」のなかに、行方不明者のリストを北朝鮮側に提供することが日朝国交正常化交渉の妨げになるとの懸念がふくまれているのですか。お答え下さい。

回答(質問5 について)

 お尋ねについては、御指摘の「この文書」の指すところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

質問6

拉致被害者等の捜査・調査に関する情報は、親族等が一番欲しい情報であり、拉致被害者等の消息を知らないまま他界する親族等が後を絶ちません。そのような現状を百も承知していながら、政府は、拉致被害者等の捜査・調査に関する情報を、親族等にも国民にも公開しようとしません。これは、政府が、国民の知る権利を侵害しているのではありませんか。その認識をお答えください。

回答(質問1 及び質問6 について)

 警察が捜査・調査している、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者の数は、令和七年一月一日現在で八百七十一名である。

 都道府県警察においては、犯罪捜査規範(昭和三十二年国家公安委員会規則第二号)第十条の三に基づき、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者の親族等に対し、捜査・調査に支障のない範囲で、その状況を説明しているものと承知しており、お尋ねのように「政府が、国民の知る権利を侵害している」とは考えていない。いずれにせよ、いわゆる国民の知る権利については、十分尊重されるべきものと認識しており、今後とも、これらの親族等の心情等に配慮しつつ、適切な対応を行っていくものと認識している。