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日本の農業の振興と農村地域活性化に関する質問主意書

経過状況:

答弁受理

提出者 小熊慎司
会派 立憲民主党
公式リンク 第217回国会 / 質問答弁

国際紛争が勃発している中、食料の自給率が低く多くの食料を輸入に頼る日本において、必要な食料をいつでも輸入できるという状況が崩れることも十分に想定される。こうした状況を踏まえて、今後は国民の食料を安定的に確保していくことが食料の安全保障の強化につながるものであると考える。また近年の異常気象により水稲は大きな影響を受けるものと思われ、その他の農産物も栽培適地気温等との関係から、今後適地が移動していくことも想定される。そのためには環境と調和のとれた、環境負荷の低減等を行う食料生産システムの確立を目指しながら持続可能な農業への転換を進める必要があると考える。

質問1

食料自給率が低く多くの食料を輸入している日本において、将来にわたり安心・安全な食料を安定的に食卓に届けるためには、食料自給率を高める取組が不可欠であると考える。そのためにも、米の需給状況の改善に向けた非主食用米への転換支援のため、また農家の経営意欲の維持のためにも水田活用の直接支払交付金等の予算を十分に確保するとともに、交付単価等の引上げを行うことが必要であると考えるが、政府の見解を伺う。

回答(質問1 について)

 御指摘の「水田活用の直接支払交付金等」については、引き続き必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えている。また、御指摘の「交付単価等」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和五年十二月二十七日に食料安定供給・農林水産業基盤強化本部で取りまとめた「「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」に基づく具体的な施策の内容」(以下「新たな展開方向に基づく具体的な内容」という。)において、「令和九年度以降の水田政策については、」「将来にわたって安定運営できる水田政策の在り方をあらかじめ示すことができるよう検討」することとしており、その中で水田活用の直接支払交付金の在り方についても検討を深めてまいりたい。

質問2

水田活用の直接支払交付金制度による戦略作物の本作化とともに高収益作物等の定着等を目指し、また継続した米の需給状況の改善を推進するためにも、当該直接支払交付金の交付対象水田については、五年間で一度も水張り(水稲作付)が行われない農地について令和九年度以降は交付対象水田としないとした制度の見直しを図るべきであると考えるが、政府の見解を伺う。

回答(質問2 について)

 御指摘の「水田活用の直接支払交付金制度」について、五年間にわたって畑作物の作付けが継続して行われた農地は水田として活用されなかったものと判断し、令和九年度以降、水田活用の直接支払交付金の交付対象としない方針としたところであるが、一についてで述べたとおり、新たな展開方向に基づく具体的な内容において、「令和九年度以降の水田政策については、」「将来にわたって安定運営できる水田政策の在り方をあらかじめ示すことができるよう検討」することとしており、その中でこの方針についても検討を深めてまいりたい。

質問3

稲作農家を中心とし、営農の継続や再生産確保のため、肥料や農薬などの農業生産資材の購入費用に対する助成制度を拡充するとともに、状況に応じ米、畑作物の収入減少影響緩和交付金の早期支払いを行うなど、制度の充実を図るべきと考えるが、政府の見解を伺う。

回答(質問3 について)

 御指摘の「肥料や農薬などの農業生産資材の購入費用に対する助成制度」の「拡充」については、令和六年度補正予算において、政府全体の物価高騰に対する対策として、重点支援地方交付金において「令和六年度補正予算の成立を踏まえた「重点支援地方交付金」の取扱い等について」(令和六年十二月十七日付け内閣府地方創生推進室、デジタル庁デジタル社会共通機能グループ及び内閣官房令和五年経済対策給付金等事業企画室事務連絡)における「エネルギー・食料品価格等の物価高騰の影響を受けた生活者や事業者(以下「生活者等」という。)の支援を主たる目的とする事業であって、交付金による支援の効果が当該生活者等に直接的に及ぶ事業」として六千億円を措置したところ、この事業には、農業生産資材の購入費用の助成等が含まれるため、政府において、その積極的な活用を地方公共団体に働きかけたところである。

 また、御指摘の「米、畑作物の収入減少影響緩和交付金の早期支払い」などの「制度の充実」については、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律(平成十八年法律第八十八号)第四条第一項及び第二項の規定に基づき、「政府は、・・・当該年度の前年度における収入減少影響緩和対象農産物に係る収入の額として・・・対象農業者ごとに算出した額」である「前年度収入額」等により「交付金の金額」を「算定」し、「交付金を交付する」こととされており、「当該年度」の四月に交付金(同条第一項の規定により交付する交付金をいう。以下同じ。)の交付の申請をする者から当該申請に際して同条第一項の「当該年度の前年度における収入減少影響緩和対象農産物」の生産量(農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律施行規則(平成十八年農林水産省令第五十九号)第九条第一項に規定する生産量をいう。)を記載した申請書の提出を受け、その審査を行った後に、速やかに交付金の交付を行っているところであり、引き続き、同法に基づく措置等を講ずることにより、農業の担い手の農業経営の安定を図っていく考えである。

質問4

人口減少や社会状況の変化等により米の消費量は一貫して減少傾向にある。米の消費拡大は食料自給率向上を目指す上でも極めて重要であることから、米の需要拡大事業や米粉需要創出・利用促進対策事業、米穀周年供給・需要拡大支援事業等の予算を十分に確保し、制度の拡充を図らなければならないと考える。そのためには新市場の開拓や米飯を含む和食給食を普及・推進するとともに情報発信に努めることが必要であると考えるが、政府の取組を伺う。

回答(質問4 について)

 政府においては、令和六年度補正予算において「米粉需要創出・利用促進対策事業」等を措置するとともに、令和七年度予算において「米需要創造推進事業」、「米穀周年供給・需要拡大支援事業」、「消費・安全対策交付金」等を計上し、御指摘の「新市場の開拓」、「米飯を含む和食給食」の「普及・推進」及び「情報発信」に必要な経費を支援していく考えであり、引き続き、こうした支援を通じて「新市場の開拓や米飯を含む和食給食を普及・推進するとともに情報発信」を推進していく考えであるが、その上で、御指摘の「米の消費拡大」については、一についてで述べたとおり、新たな展開方向に基づく具体的な内容において、「米の消費拡大」も含めた「令和九年度以降の水田政策」について、「将来にわたって安定運営できる水田政策の在り方をあらかじめ示すことができるよう検討」することとしており、その中で検討を深めてまいりたい。

質問5

近年の極めて異常な高温化現象により、コシヒカリ等生食用米やソバの極端な品質の低下や収量の減少が見られたところである。こうした温暖化傾向は今後も続くことが想定されることから、営農技術や高温耐性品種の開発などの対策の充実を図り、農家等への周知や種子の確保に努めるべきであると考えるが、政府の見解を伺う。

回答(質問5 について)

 御指摘の「営農技術や高温耐性品種の開発などの対策の充実」については、政府においては、例えば、水稲についてはICT技術を活用して農業用水の供給等を管理する技術や高温の環境下においても白濁しにくい品種の開発を、そばについては作付けの時期の変更が可能となる栽培技術の実証や品種の開発を、それぞれ支援しているところである。

 また、御指摘の「農家等への周知」については、政府においては、これまで累次にわたり、「高温に伴う農作物等の被害防止に向けた技術指導の徹底について」(令和六年八月二日付け六農産第千九百五十四号・六畜産第千五百九号農林水産省農産局農業環境対策課長・農林水産省畜産局企画課長通知)等の通知を発出し、都道府県に対して、高温による農作物等の被害を防止するための農業技術指導の徹底を図ってきている。

 さらに、御指摘の「種子の確保」については、令和七年度予算で計上している「持続的生産強化対策事業」及び「野菜種子安定供給対策事業」において、気候変動影響に対応した稲、野菜等の種子の確保に必要な経費を支援していく考えである。

質問6

畜産、酪農においては、飼料生産を行う農家等と畜産農家との連携強化等による国産飼料の生産及び利用拡大が進むよう、支援の充実に努めるべきと考えるが、政府の見解を伺う。

回答(質問6 について)

 政府においては、令和六年度補正予算において、「国産飼料生産・利用拡大緊急対策事業」を措置し、飼料生産を行う農家等と畜産農家が連携を強化するために、契約を締結して行う国産飼料の生産及び利用拡大の取組に必要な経費を支援しており、引き続き、こうした支援を通じて、御指摘の「飼料生産を行う農家等と畜産農家との連携強化等による国産飼料の生産及び利用拡大」を推進してまいりたい。

質問7

農村地域で行われる農村環境保全活動は、過疎化や高齢化により担い手が不足し、共同活動が困難になりつつある。将来に向けて豊かな田園と農業生産環境を維持していくためにも、多面的機能支払交付金や中山間地域等直接支払交付金の交付単価の拡充が必要であると考えるが、政府の見解を伺う。

回答(質問7 について)

 御指摘の「多面的機能支払交付金」の「交付単価」については、農業用用排水施設、農業用道路その他農用地の保全又は利用上必要な施設の管理に関する活動の実績に基づいて設定しており、また、御指摘の「中山間地域等直接支払交付金の交付単価」については、中山間地域等における農業の生産条件に関する不利を補正するため、当該交付金の対象地域とそれ以外の地域との生産条件の格差に基づいて設定している。また、これらの交付金については、その時々の課題に適切に対応するための加算措置により、随時支援の充実を図ってきたところであり、引き続きこれらの交付金を通じて農村地域における御指摘の「共同活動」の促進を図ってまいりたい。

質問8

農作物への鳥獣等による被害防止に向けて鳥獣被害防止総合対策等による支援策が講じられているが、猟友会等の高齢化や担い手不足などが顕著となりつつあることから、猟友会等の担い手育成に取り組む市町村に対する助成のための予算を確保し、支援制度の充実を図ることが必要であると考えるが、政府の見解を伺う。

回答(質問8 について)

 政府においては、鳥獣被害防止総合対策交付金により、市町村ごとに開催される農業者等を対象とした捕獲技術の取得に関する講習会や、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)第三十九条第一項の狩猟免許の取得等に関する講習会の開催に対する支援等を行っているところであり、引き続き、こうした取組を通じて、鳥獣の捕獲に係る優れた技術を有する専門家の確保及び育成を図ってまいりたい。