TOP > 質問主意書・答弁書 > 松原仁:ふるさと納税制度の見...
ふるさと納税制度の見直しに関する質問主意書
経過状況:答弁受理
ふるさと納税制度は、個人が応援したい自治体に寄付を行うことで、住民税などの税負担を軽減する仕組みとして、平成二十年に開始された。しかし、令和五年度の寄付総額は一・一兆円に達する中で、返礼品競争や仲介サイトによる過剰な宣伝が横行するなど、制度が抱える根本的な問題が顕在化している。
制度の本旨は、寄付によって地域社会の発展に寄与することであるが、返礼品を目的とする寄付の広がりや仲介サイトの競争により、税収の偏在や社会的な公正を損なう結果を招いている。この点において、ふるさと納税制度は当初の理念から大きく逸脱していると考える。
政府は仲介サイトによるポイント還元を禁止する方針を示しているが、これは部分的な対策に過ぎず、制度全体の抜本的な見直しが急務であると考える。
そこで、次のとおり質問する。
質問1
税収流出の実態について
1 ふるさと納税による寄付額の約半分が返礼品調達や事務経費、仲介業者手数料に費やされているとされるが、これに伴う税収流出の総額について、政府は正確に分析しているか。
2 国は、ふるさと納税による税収が減少した地方自治体に対して補填を行っているか。また、行っている場合、直近三年間の補填の総額とその内訳をそれぞれ明らかにされた上で、最終的に国民にどのように還元または負担されていると考えるか、政府の見解は如何。
回答(質問1 の1について)
お尋ねの「税収流出の総額」及び「分析」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和六年八月二日に総務省が公表した「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和六年度実施)」において、「ふるさと納税の募集に要した費用(全団体合計額)」は約五千四百二十九億円とされている。
回答(質問1 の2について)
お尋ねの「直近三年間の補填の総額とその内訳」については、令和五年三月二十三日の参議院総務委員会において、政府参考人が「ふるさと納税制度に伴う寄附金の税額控除による個人住民税の減収は、地方税に規定するほかの寄附金控除と合わせて個人住民税の収入見込額から控除されることとしておりますので、お尋ねのふるさと納税に係る分だけを取り出してお示しすることは困難でございます。」と答弁しているとおりである。
その余のお尋ねについては、お尋ねの「国民にどのように還元または負担されていると考えるか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和五年二月十四日の衆議院総務委員会において、松本総務大臣(当時)が「地方交付税の算定においては、地方税法の特例措置の規定に基づくふるさと納税制度により生じる寄附金の税額控除による個人住民税の減収は、個人住民税の収入見込額から控除することとしておりまして、その結果、減収分の七十五パーセントが基準財政収入額に反映をされる」と答弁しているとおりである。
質問2
返礼品競争の影響について
自治体間の返礼品競争が税収の偏在をもたらしていることについて、政府としての見解如何。
回答(質問2 及び質問3 の2について)
御指摘の「税収の偏在」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、令和六年十二月十九日の参議院総務委員会において、村上総務大臣が「いわゆる返礼品競争や税収減が大きくなっていることを背景として、ふるさと納税制度の見直しを求める御意見があることも十分承知しております。ふるさと納税は、ふるさとやお世話になった自治体への感謝の気持ちを伝え、税の使い道を自分の意思で決めることを可能とするものとして創設された制度であります。これまで、過度な返礼品競争などを背景に、対象となる自治体が国が指定する制度を導入し、自治体が提供する返礼品については返礼割合を三割以下かつ地場産品に限ること、ふるさと納税の募集に要する費用を寄附金額総額の五割以下とするなど適正な募集を行うことといった基準を定めるなど、適時適切に基準の見直しや明確化等を行ってきたところであります。・・・様々な御指摘がありますが、今後とも、自治体の御理解をいただきながら、ふるさと納税制度が本来の趣旨に沿って適正に運用されるように取り組んでまいりたいと考えております。」と答弁しているとおりである。
質問3
仲介サイトに対する規制について
1 政府が仲介サイトによるポイント還元の禁止を打ち出した背景と、その規制の具体的な施行方法をそれぞれ示されたい。
2 仲介サイトによるポイント還元の禁止は、部分的な対策に過ぎず、地方自治体から仲介業者への手数料を禁止するなど、少なくともふるさと納税が、仕入額を除き、寄付額全額が寄付を受けた地方自治体が活用できる制度へと抜本的に改められるべきと考えるが、政府見解は如何。
3 仲介サイトの中には外国法人の日本支社も含まれ、納税者に関する個人情報の海外への流出が懸念されるが、政府としての見解如何。
回答(質問2 及び質問3 の2について)
御指摘の「税収の偏在」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、令和六年十二月十九日の参議院総務委員会において、村上総務大臣が「いわゆる返礼品競争や税収減が大きくなっていることを背景として、ふるさと納税制度の見直しを求める御意見があることも十分承知しております。ふるさと納税は、ふるさとやお世話になった自治体への感謝の気持ちを伝え、税の使い道を自分の意思で決めることを可能とするものとして創設された制度であります。これまで、過度な返礼品競争などを背景に、対象となる自治体が国が指定する制度を導入し、自治体が提供する返礼品については返礼割合を三割以下かつ地場産品に限ること、ふるさと納税の募集に要する費用を寄附金額総額の五割以下とするなど適正な募集を行うことといった基準を定めるなど、適時適切に基準の見直しや明確化等を行ってきたところであります。・・・様々な御指摘がありますが、今後とも、自治体の御理解をいただきながら、ふるさと納税制度が本来の趣旨に沿って適正に運用されるように取り組んでまいりたいと考えております。」と答弁しているとおりである。
回答(質問3 の1について)
お尋ねの「背景」については、令和六年七月二日の閣議後記者会見において、松本総務大臣(当時)が「ポイントについては、様々な経済活動、生活においても大変ウエートが大きくなっていると思いますが、私どもからみますと、やはりポイント付与による競争は過熱してきているのではないかと考えています。」と述べているとおりであり、御指摘の「ふるさと納税制度」の適正な運用を確保する観点から、御指摘の「仲介サイトによるポイント還元の禁止」を行うこととしたところである。
また、お尋ねの「その規制の具体的な施行方法」については、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第三十七条の二第二項及び第三百十四条の七第二項の規定に基づいて定められた特例控除対象寄附金の対象となる都道府県等の指定に係る基準等を定める件(平成三十一年総務省告示第百七十九号)第二条において、都道府県等(都道府県、市町村又は特別区をいう。以下同じ。)は、「第一号寄附金の寄附に伴って寄附者に対し金銭その他の経済的利益(第一号寄附金に係る決済に伴って提供されるものであって、通常の商取引に係る決済に伴って提供されるものに相当するものを除く。)を提供する者(第三者を通じて提供する者を含む。)」を通じた募集を行ってはならない旨を規定したところであり、都道府県等に対してこの旨を周知している。
回答(質問3 の3について)
お尋ねについては、総務省としては、個人情報を適切に取り扱う観点から、「ふるさと納税に係る指定制度の運用について」(令和六年六月二十八日付け総税市第六十七号総務省自治税務局市町村税課長通知)において、「寄附を受けた地方団体は、ふるさと納税に係る申告特例通知書において、本人のマイナンバーが正しく記載されていることを複層的に確認する等マイナンバーの適切な取扱いを含め、寄附者の個人情報を厳格に管理すること。特に、返礼品等の提供に関し外部委託等を行う際には、外部委託等に伴う個人情報漏えい防止対策を徹底すること」を都道府県等に対して助言してきているところである。