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石破総理が提唱したアジア版NATOに関する質問主意書

経過状況:

答弁受理

提出者 原口一博
会派 立憲民主党
公式リンク 第217回国会 / 質問答弁

私が提出した質問に対する答弁書(内閣衆質二一六第二六号)のうち、一の1及び2についての段落を踏まえ、次のとおり質問する。

質問1

令和四年十二月に策定された国家防衛戦略には、我が国の防衛の基本方針で「我が国の防衛の根幹である防衛力は、我が国の安全保障を確保するための最終的な担保であり、我が国に脅威が及ぶことを抑止するとともに、脅威が及ぶ場合には、これを阻止・排除し、我が国を守り抜くという意思と能力を表すものである。」と記されている。我が国に対する特定の脅威が存在する場合、政府は、当該脅威を阻止・排除するための対策を講じると解釈できると考えるが、当該考えについて、政府の見解を示されたい。

回答(質問1 について)

 御指摘の「特定の脅威」の具体的に意味するところ及びお尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、仮に、我が国が武力の行使を行う場合に関する御質問であるとすれば、令和六年六月十一日の参議院外交防衛委員会において、木原防衛大臣(当時)が「我が国が武力の行使をするためには、武力の行使の三要件を満たす必要がございます。これについても個別具体的な状況に則して判断されるものでありまして、一概にお答えすることは困難でございます。」と述べているとおりである。

質問2

多国間の安全保障枠組みとは、当該枠組みの参加国に対する特定の脅威が存在する場合、全部の参加国が共同して、当該脅威を阻止・排除するための対策を講じるものと解釈することは妥当であると考えるが、当該解釈について、政府の見解を示されたい。

回答(質問2 及び質問3 について)

 御指摘の「多国間の安全保障枠組み」及び「特定の脅威」の具体的に意味するところが明らかではなく、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、例えば、国際連合憲章(昭和三十一年条約第二十六号)第七章においては、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為が行われた場合に国際の平和及び安全を維持し又は回復するため国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)が採ることのできる一連の行動(いわゆる経済制裁措置を含む。)について定めており、これらの一連の行動を総称して講学上集団安全保障の措置と呼ぶことがあるが、この措置は、個別具体的な特定の状況をあらかじめ想定したものではなく、安保理において、個別具体的な状況に基づき採られるものであると承知している。

質問3

新たな多国間の安全保障の枠組みを提唱し、枠組みの参加国を募る際、脅威を具体的に提示ないし示唆することが必須の手続と考えるが、石破総理は、令和六年十月八日の参議院本会議において、自らが提唱しているアジア版NATOの創設について、「いずれか特定の国を念頭に置いたものではございません。」と答弁を行い、具体的な脅威の提示を行わなかった。具体的な脅威を明らかにしない多国間の安全保障の枠組みは成立するのか、政府の見解を示された上で、成立した事例があるならば、その枠組みを提示されたい。

回答(質問2 及び質問3 について)

 御指摘の「多国間の安全保障枠組み」及び「特定の脅威」の具体的に意味するところが明らかではなく、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、例えば、国際連合憲章(昭和三十一年条約第二十六号)第七章においては、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為が行われた場合に国際の平和及び安全を維持し又は回復するため国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)が採ることのできる一連の行動(いわゆる経済制裁措置を含む。)について定めており、これらの一連の行動を総称して講学上集団安全保障の措置と呼ぶことがあるが、この措置は、個別具体的な特定の状況をあらかじめ想定したものではなく、安保理において、個別具体的な状況に基づき採られるものであると承知している。

質問4

石破総理は、具体的な脅威を明確にしないまま、新たな多国間の安全保障の枠組み「アジア版NATO」を提唱しており、石破総理は、自身の発言の影響力の大きさを考えることなく、思いつきを語っているようにしか見えない。アジア版NATOが思いつきで語られたものではないのであれば、思いつきではない根拠を示されたい。

回答(質問4 について)

 御指摘の「思いつきを語っている」及びお尋ねの「思いつきではない根拠」の具体的に意味するところが明らかではなく、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、御指摘の「アジア版NATO」については、例えば、令和六年十月七日の衆議院本会議において、石破内閣総理大臣が「アジア版NATOを含む日本の安全保障の在り方につきましては、これまで私自身の一国会議員としての考えを累次述べてまいりましたが、一朝一夕で実現するとは当然思っておりません。」と述べているとおりであり、また、アジアにおける安全保障の在り方については、現在、自由民主党において議論が行われていると承知している。

質問5

トランプ米大統領は、次期大統領に就任が確定していた令和六年十二月六日に行われたインタビューにおいて、第一次トランプ政権で脱退を検討したとされるNATOについて残留するかを問われた際、NATOから脱退する可能性を否定しなかったことが報じられている。他方、石破総理は、参加国に同盟国である米国の参加を想定しないアジア版NATOの創設を提唱している。石破総理は、同年十月七日の衆議院本会議において、「日米同盟を基軸に、友好国、同志国の輪を広げ」る旨の答弁を行っているが、アジア版NATOの創設は、日米同盟の緊密な関係を毀損するものではないのか政府の見解を示されたい。

回答(質問5 について)

 御指摘の「石破総理は、参加国に同盟国である米国の参加を想定しないアジア版NATOの創設を提唱している。」の具体的に意味するところが明らかではないが、いずれにせよ、我が国の安全保障政策については、例えば、令和六年十月七日の衆議院本会議において、石破内閣総理大臣が「アジア版NATOを含む日本の安全保障の在り方につきましては、これまで私自身の一国会議員としての考えを累次述べてまいりましたが、一朝一夕で実現するとは当然思っておりません。一国の総理大臣として、まずは喫緊の外交、安全保障上の課題に取り組んでいく必要があると考えております。日米同盟の抑止力、対処力を強化するとともに、その強靱性、持続性を高めていくとの観点から、また、同盟国、同志国間のネットワークを有機的、重層的に構築し、抑止力を強化する観点から、検討し対応いたしてまいります。」と述べたとおり、政府として日米同盟を一層強化していく考えである。

質問6

憲法第九条を有する我が国は、他の加盟国を防衛することが義務づけられている国際的枠組みには参加することができないが、石破総理が提唱するアジア版NATOについては、将来創設されたときは、我が国は当然にアジア版NATOの創設時から加盟国となることが想定される。我が国が参加する以上、アジア版NATOの設立規定には、他の加盟国を防衛する義務規定が置かれていないことが条件となり、当該規定が置かれないのであれば、他の加盟国を防衛することが義務付けられている本来のNATOとは核心部分において枠組みの性格が大いに異なってくるのではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。

回答(質問6 について)

 四についてで述べたとおり、御指摘の「アジア版NATO」については、例えば、令和六年十月七日の衆議院本会議において、石破内閣総理大臣が「アジア版NATOを含む日本の安全保障の在り方につきましては、これまで私自身の一国会議員としての考えを累次述べてまいりましたが、一朝一夕で実現するとは当然思っておりません。」と述べているとおりであり、また、アジアにおける安全保障の在り方については、現在、自由民主党において議論が行われていると承知しており、お尋ねについて、予断をもってお答えすることは差し控えたい。

質問7

石破総理が提唱するアジア版NATOについては、軍事同盟として果たす機能・役割の面において、本来のNATOとは異なるのであるから、「NATO」という用語が使われていることは不適切と考えられる。その結果、石破政権の目指す安全保障政策について、国民の理解促進を阻害することとなっていると思われるが、政府の見解を示されたい。

回答(質問7 について)

 四についてで述べたとおり、御指摘の「アジア版NATO」については、例えば、令和六年十月七日の衆議院本会議において、石破内閣総理大臣が「アジア版NATOを含む日本の安全保障の在り方につきましては、これまで私自身の一国会議員としての考えを累次述べてまいりました」と述べているとおりであるが、政府としては、石破内閣の安全保障政策について、国会における政府の答弁を始めとする累次の機会に丁寧に説明してきており、「国民の理解促進を阻害することとなっている」との御指摘は当たらない。