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終戦直後から現在までの政府の外交における基本姿勢に関する質問主意書

経過状況:

答弁受理

提出者 原口一博
会派 立憲民主党
公式リンク 第217回国会 / 質問答弁

私が提出した質問に対する答弁書(内閣衆質二一六第六号。以下「前回答弁書」という。)では、政府答弁において、「差し控えたい」、「お答えすることは困難である」等の表現を用いて、質問に答えようとしない姿勢が顕著に見られる。令和四年四月十四日の参議院外交防衛委員会における上田清司委員の質問でも指摘されていたが、憲法第六十二条に国政調査権が、第六十三条に内閣総理大臣その他の国務大臣に国会への出席が義務づけられているのは、政府が国会、ひいては国民に対して誠実に説明する義務があることを明らかにする趣旨ではないかと考える。特に、外交や安全保障は、国政の中核であり、政府による説明が最も求められる分野である。しかし、政府は、この外交や安全保障の分野において、殊更「差し控えたい」として、情報開示に一層消極的な姿勢を示す傾向がある。これでは、国民の信頼を得られるはずがない。また、後世における政府の外交や安全保障の妥当性の検討にも差し支えると考える。

政府の反省を促して、改めて、政府の外交における基本姿勢について確認する。以下、質問する。

質問1

いわゆる指揮権密約については、令和六年五月十六日の衆議院安全保障委員会において立憲民主党篠原豪委員の質問に対して木原防衛大臣(当時)が「米側作成のものであって、いわゆる指揮権密約については、日米間でそのような合意は成立していないというふうに承知をしております。」と答弁している。

1 前回答弁書において、一及び二についての答弁中で「米国政府が作成したとされる文書であり、その内容及びそれを前提としたお尋ねについて、我が国政府としてお答えすることは差し控えたい」としているが、木原防衛大臣は前述の答弁をしている。なぜ、前回答弁書では「差し控えたい」と一切答弁しない姿勢を示したのか。政府の見解を伺う。

2 昭和二十七年七月二十三日に吉田首相(当時)とクラーク大将(当時)が指揮権密約を結んだことを示す機密文書が米国側に存在すると報じられている。木原防衛大臣は「合意は成立していない」と答弁し、上川外務大臣(当時)も令和六年四月二十三日の参議院外交防衛委員会の高良鉄美委員に対する答弁で「御指摘のいわゆる指揮権密約についてでありますが、旧安保条約のときからもそのような合意は成立しておりません。」と答弁している。政府は、いわゆる指揮権密約の合意が「成立していない」とする根拠を示すことができるのか。根拠を示すことができないのであれば、米国側に資料が存在するとされている以上、いわゆる指揮権密約が成立していることは明らかではないか。政府の見解を伺う。

回答(質問1 について)

 御指摘の「一切答弁しない姿勢」及び「「成立していない」とする根拠を示すことができるのか。根拠を示すことができないのであれば、米国側に資料が存在するとされている以上、いわゆる指揮権密約が成立していることは明らかではないか」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、先の答弁書(令和六年十二月十日内閣衆質二一六第六号。以下「前回答弁書」という。)一及び二については、米国政府が作成したとされる文書の内容及びそれを前提としたお尋ねについてお答えすることは差し控えたい旨お答えしたものであり、御指摘の「いわゆる指揮権密約」については、令和六年四月二十三日の参議院外交防衛委員会において、上川外務大臣(当時)が「御指摘のいわゆる指揮権密約についてでありますが、日米間でそのような合意は成立しておりません」と答弁したとおりである。

質問2

昨年七月に護衛艦「すずつき」が中国領海を一時航行した点についての中国側の抗議に対して、日本側が技術的なミスであると釈明したかについて、前回答弁書では、「自衛隊の運用に影響を及ぼすおそれ」があるとして「お答えすることは差し控えたい。」としている。中国側の抗議については中国外交部の林剣報道官が同月十一日の会見で明らかにしたとされる。

1 中国側の抗議に日本側は技術的なミスと釈明したとされるが、護衛艦「すずつき」の中国領海航行の事実関係だけではなく、中国側の抗議と日本側の釈明に関する事実関係について答弁することも「自衛隊の運用に影響を及ぼす」のか政府の見解を伺う。

2 護衛艦「すずつき」が中国領海を一時航行した際の艦長がその後交代したとされるが事実か。

3 日本が海洋法を厳格に遵守する立場であることを示す艦長交代であるならば、艦長交代の理由も明確に示さなければ中国及び国際社会に対して日本の海洋法遵守の姿勢を明確に示すことにならないのではないか。政府の見解を伺う。

回答(質問2 について)

 お尋ねについては、前回答弁書三についてでお答えしたとおりである。また、護衛艦「すずつき」の艦長が令和六年七月に異動していることは事実であるが、個別の人事に関する事柄については、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。

質問3

国際連合憲章のいわゆる「旧敵国条項」について、政府は、「いかなる国も旧敵国条項を援用する余地はもはやないと考えております。」と前回答弁書において答弁している。

1 国連憲章からいわゆる「旧敵国条項」が削除されず、規定が存在し続けているのか。政府は、いわゆる「旧敵国条項」についての規定が削除されない理由をどのように分析しているのか。政府の見解を伺う。

2 政府による削除に向けた取組の効果をどう評価しているのか。政府の見解を伺う。

回答(質問3 の1について)

 国際連合憲章(昭和三十一年条約第二十六号)第五十三条、第七十七条及び第百七条において、「敵国」又は「敵」への言及があるところ、お尋ねの「削除されない理由」については、例えば、平成二十六年三月二十八日の衆議院外務委員会において、岸田外務大臣(当時)が「旧敵国条項につきましては国連憲章の改正を伴う、そして、国連憲章の規定上、この改正はかなりハードルが高いものである」と答弁しているとおりである。

回答(質問3 の2について)

 お尋ねについては、我が国として、これまで機会を捉え、国際連合憲章第五十三条、第七十七条及び第百七条における「敵国」又は「敵」への言及の削除に向けた働きかけを行っており、例えば、平成十七年九月の国際連合首脳会合成果文書において、国際連合憲章第五十三条、第七十七条及び第百七条における「敵国」への言及を削除することを決意する旨記述されたところ、国際連合安全保障理事会改革を含む国際連合改革の動向など、国際連合憲章の改正を必要とし得る他の事情も勘案しつつ、引き続き、適当な機会を捉え、これらの言及の削除を求めていく考えである。

質問4

前回答弁書では、イスラエルによる行動について、「確定的に評価することは困難である」としている。だが、今回のガザ地区におけるイスラエルの行動は、多くの人命を損ない、建物やインフラを破壊する非人道的なものであったと評価せざるを得ないのではないかと考える。今回のイスラエルによるガザ地区での破壊行動は、我が国とイスラエルの関係を見直すきっかけとすべきではないか。政府の見解を伺う。

回答(質問4 について)

 お尋ねの「我が国とイスラエルの関係を見直す」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、前回答弁書五についてでお答えしたとおり、いずれにせよ、我が国としては、当事者による全ての行動は、いかなる場合でも、国際人道法を含む国際法に従って行われなければならないものと考えており、イスラエルがハマス等のテロ攻撃に対し、自国及び自国民を守る権利を行使するに当たって、国際人道法を含む国際法を遵守するよう同国に求めてきているところである。

質問5

私が提出した質問に対する答弁書(内閣衆質二一二第二八号)において、「米国に対し抗議を行うよりも(中略)現実的かつ着実な核軍縮努力を積み重ねていくことが重要である」と答弁している。

1 米国への抗議と現実的かつ着実な核軍縮努力を積み重ねていくことは、相矛盾するものではなく、両立しうるものではないのか。政府の見解を伺う。

2 核兵器の使用は、国際法違反であり、人道に対する犯罪であることを明らかにするため、米国に対して当時の原爆投下の判断が現在の国際情勢では許されないものであることを認めさせることこそ、唯一の戦争被爆国であり、米国の同盟国である我が国の役割ではないかと考える。なぜ、政府は、米国に対して、核兵器の使用を抗議しないのか。政府の見解を伺う。

回答(質問5 について)

 お尋ねの「米国への抗議と現実的かつ着実な核軍縮努力を積み重ねていくことは、相矛盾するものではなく、両立しうるものではないのか。」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、先の答弁書(令和五年十一月二十日内閣衆質二一二第二八号)一の1の(二)についてでお答えしたとおり、戦後七十年以上を経た現時点において米国に対し抗議を行うよりも、政府としては、人類に多大な惨禍をもたらし得る核兵器が将来二度と使用されるようなことがないよう、核兵器のない平和で安全な世界の実現を目指して、現実的かつ着実な核軍縮努力を積み重ねていくことが重要であると考える。

質問6

前回答弁書では、被爆者の米国による救援について、「当時の具体的な状況を確認できる資料が存在しない」との答弁があった。どのような方法で当時の資料を探したのか。政府の見解を伺う。

回答(質問6 について)

 前回答弁書八については、御指摘の「当時の資料」について、外務省が保管する文書等につき可能な範囲で調査したところ、現時点で確認できる範囲では、当時の具体的な状況を確認できる資料が存在しない旨お答えしたものである。