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中国の国防七校とわが国の大学との提携に関する質問主意書

経過状況:

答弁受理

提出者 島田洋一
会派 日本保守党
公式リンク 第217回国会 / 質問答弁

中国には、国務院下の国家国防科技工業局が直接管理し、機密度の高い武器の研究開発を担う大学が七校あり、国防七校と呼ばれている(北京航空航天大学、北京理工大学、ハルビン工業大学、ハルビン工程大学、南京航空航天大学、南京理工大学、西北工業大学)。

米国商務省の産業安全保障局は、米国の安全保障を脅かす活動に関与している可能性が高い個人や団体などのエンティティリスト(貿易制限リスト)を作成し、技術の輸出を規制しているが、国防七校全校がリストに挙げられている。

国防七校の学生が、日本の大学で、当該規制技術を用いた実験や研究を行うならば、米国の輸出規制の抜け穴となり、当該日本の大学自体がエンティティリストに挙げられかねないと考える。

わが国自体、軍事転用できる機微技術を外国人に提供することを「みなし輸出」として管理、規制していると承知している。

文部科学省が公表した、海外の大学との大学間交流協定(令和四年度実績)によると、わが国には、国防七校と提携し、留学生を受け入れている大学がある。

以上を踏まえて質問する。

質問1

政府は、令和四年度に国防七校からわが国の大学に何名の留学生が派遣されたか把握しているか。把握しているのであれば、各大学ごとの人数をそれぞれ可能な限り回答されたい。

回答(質問1 について)

 文部科学省が実施した「大学における教育内容等の改革状況調査(令和四年度実績)」によると、我が国の大学に対しては、南京航空航天大学から一人、南京理工大学から一人、ハルビン工業大学から三十二人、ハルビン工程大学から四人及び北京理工大学から二十二人の留学生が派遣されていると承知している。

質問2

政府は、国防七校からの留学生の研究内容については把握していないと承知するが、わが国の安全保障を脅かす技術の流出が合理的に想定されるにもかかわらず、研究内容を把握していないとする理由は何か。

回答(質問2 について)

 お尋ねの「わが国の安全保障を脅かす技術の流出が合理的に想定される」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、大学における教育研究活動の実施については、留学生の研究内容も含め、各大学の自主的・自律的な判断に委ねられるべきものである。また、文部科学省においては、我が国の大学や研究機関(以下「大学等」という。)に対し、経済産業省作成の「安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンス(大学・研究機関用)」を周知する等のための文書を発出し、安全保障に関連する機微技術の管理に関する説明会を開催する等して、大学等において当該技術の管理が徹底されるよう施策を講じてきたところであるため、お尋ねの「国防七校からの留学生の研究内容」について、政府として網羅的に把握していない。

質問3

そもそも国防七校からの留学生受入れを規制する必要はないのか、政府の見解を問う。

回答(質問3 について)

 お尋ねの「受入れを規制する」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、政府としては、「国防七校からの留学生」に限らず、一般に、外国人留学生の受入れに当たっては、安全保障に関連する機微技術の管理の徹底が重要であると考えており、例えば、令和六年六月二十一日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針二〇二四」において「留学生・外国人研究者等の受入審査強化等の技術流出対策に取り組む」としている。