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義務教育及び高等学校教育における確定申告の実務教育に関する質問主意書
経過状況:答弁受理
近年、副業の解禁やフリーランスといった働き方が一般化しつつある。また、成年年齢の引下げ等を見据え、平成二十九・三十・三十一年の改訂学習指導要領では、高等学校の家庭科等において金融経済教育に関する記載の充実が図られるなど、金融リテラシーを早期に身につけ、自らの所得管理を行うことの重要性が増している現状にあると考える。
一方、確定申告は所得に応じた適切な納税を行うための重要な制度であるにもかかわらず、義務教育及び高等学校教育において具体的な手続を学ぶ機会がないとされる。このため、納税義務を果たせない若者が増えたり、税務知識の不足からペナルティを受ける事例も見られる。
こうした状況を踏まえ、以下質問する。
質問1
義務教育及び高等学校教育における確定申告の実務教育の現状について
1 現行の義務教育及び高等学校の学習指導要領において、確定申告の手続や実務について、具体的な記載があるか。
2 義務教育及び高等学校教育において、税の意義や社会における役割については学ぶ機会がある一方で、確定申告など納税に関する具体的な手続については十分な教育が行われていないと考える。税の理念の理解を促すことには時間を割く一方で、納税に関する具体的な手続についての教育が行われていない理由は何か。政府の見解を示されたい。
回答(質問1 及び質問2 の3について)
お尋ねの「確定申告の手続や実務について」の「具体的な記載」及び「確定申告の実務の基礎」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、租税の役割や納税の義務等を正しく理解して社会の構成員として社会の在り方を主体的に考える資質や能力を育てることが重要と考えており、義務教育段階及び高等学校段階においては、財政及び租税の役割について考察し、表現することを指導することとしている。その上で、高等学校学習指導要領(平成三十年文部科学省告示第六十八号)において、商業科の目標について「実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して、ビジネスを通じ、地域産業をはじめ経済社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な資質・能力」を育成することとし、その解説において、「所得税の源泉徴収・納付・年末調整、住民税の特別徴収・納付など税の手続・・・に関する学習活動」を取り入れることを記載している。
質問2
働き方の変化等に伴う確定申告の実務教育の必要性について
1 近年、副業の解禁やフリーランスといった働き方が一般化しつつあることに加え、「貯蓄から投資へ」のスローガンの下で投資の促進が進められている。その一方、納税意識の低さや、そもそも確定申告の必要性を認識していないことなどを理由に、申告漏れを指摘される事例が見られる。特に若年層においてそのような事例が多発しているのではないかと憂慮するが、状況はどうなっているか。令和元年から令和五年の所得税等の確定申告書の申告状況に関し、三十歳未満の者の占める割合の推移を可能な限り示されたい。
2 1に関連して、政府は働き方の変化等に伴い、若年層の確定申告の必要性が高まっているとの認識を有しているか。政府の見解を示されたい。
3 働き方の変化等に対応するため、義務教育及び高等学校教育において確定申告の実務の基礎を教える必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
回答(質問1 及び質問2 の3について)
お尋ねの「確定申告の手続や実務について」の「具体的な記載」及び「確定申告の実務の基礎」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、租税の役割や納税の義務等を正しく理解して社会の構成員として社会の在り方を主体的に考える資質や能力を育てることが重要と考えており、義務教育段階及び高等学校段階においては、財政及び租税の役割について考察し、表現することを指導することとしている。その上で、高等学校学習指導要領(平成三十年文部科学省告示第六十八号)において、商業科の目標について「実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して、ビジネスを通じ、地域産業をはじめ経済社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な資質・能力」を育成することとし、その解説において、「所得税の源泉徴収・納付・年末調整、住民税の特別徴収・納付など税の手続・・・に関する学習活動」を取り入れることを記載している。
回答(質問2 の1について)
前段のお尋ねについては、その具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、納税者が御指摘の「申告漏れ」に至った事情等については把握していないため、お答えすることは困難である。
後段のお尋ねについて、「令和元年から令和五年の所得税等の確定申告書の申告状況に関し、三十歳未満の者の占める割合の推移」については、これを把握しておらず、また、これを正確に算出するためには膨大な作業を要することから、お答えすることは困難である。
回答(質問2 の2について)
お尋ねの「働き方の変化等に伴い、若年層の確定申告の必要性が高まっているとの認識」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、また、二の1についてでお答えしたとおり、「令和元年から令和五年の所得税等の確定申告書の申告状況に関し、三十歳未満の者の占める割合の推移」について把握していないことから、お答えすることは困難である。
質問3
海外事例との比較及び政策検討の可能性について
1 義務教育及び高等学校教育において、確定申告の実務等についての知識を学ぶ機会を設けている国又は地域を、政府において把握しているか。把握している場合、その国名又は地域名と、教育内容の概要をそれぞれ示されたい。
2 我が国で確定申告の実務を含む税務リテラシー教育を導入することについて、政府として検討したことがあるか。あるのであれば、その必要性についてどのように考えているか。政府の見解を示されたい。
回答(質問3 の1について)
お尋ねの「確定申告の実務等についての知識を学ぶ機会」の具体的に意味するところが明らかではなく、また、納税の方法等は国によって様々であり、各国における租税教育の実情について網羅的に把握していないため、お答えすることは困難である。
回答(質問3 の2について)
お尋ねの「我が国で確定申告の実務を含む税務リテラシー教育を導入すること」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。