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政府開発援助(ODA)の削減に関する質問主意書
経過状況:答弁受理
キア・スターマー英国首相は、本年二月二十五日、英国下院議会における演説で、防衛費を令和九年に国内総生産(GDP)比二・六パーセント(情報機関の予算含む)に増額するとともに、財源を確保するため、対外援助支出を令和九年までに国民総所得(GNI)比〇・三パーセントに削減すると発表した。英国は、平成二十五年から令和二年まで、毎年GNI比〇・七パーセントを対外援助のため支出しており、同時期と比べると約五十七パーセント減となる。これについて、最大野党である保守党のケミ・ベイデノック党首は、防衛費増額及び対外援助支出削減の双方について、賛意を表明した。
また、マルコ・ルビオ米国国務長官は、本年三月十日、米国国際開発庁(USAID)の事業の八十三パーセントを打ち切ったと発表した。
質問1
我が国の政府開発援助(ODA)は、様々な問題が指摘されてきた。特に、世界に占める我が国の経済規模が減少する中、ODAの支出規模を見直し、国内向けの歳出に回すことは一定の合理性を持つと考えるが政府の認識如何。
回答(質問1 について)
御指摘の「ODAの支出規模を見直し、国内向けの歳出に回すことは一定の合理性を持つ」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府開発援助(以下「ODA」という。)の予算に関する政府の方針については、例えば、令和七年二月十二日の参議院本会議において、石破内閣総理大臣が「ODAは開発途上国の経済社会開発を主たる目的とする支援の枠組み・・・であり、・・・外交上の重要な手段であります。ODAにつきましては、新たな時代における国際協力の仕組みを不断に検討しながら、様々な形でODAを拡充し、我が国の開発協力の実施基盤の強化のため、必要な努力を行ってまいります。」と答弁しているとおりである。
質問2
中華人民共和国及びロシア連邦と親密な関係にある国々、特に安全保障における同盟関係を持つ国々へのODAの支出は、我が国及び世界にとって望ましい国際環境を創出するとの目的から逸脱しているのではないかと考える。政府は、こうした国々に向けたODAの在り方を見直し、支出を大幅に削減すべきと考えるが、見解如何。
回答(質問2 について)
お尋ねについては、「開発協力大綱」(令和五年六月九日閣議決定)の「開発協力の適正性確保のための実施原則」において、開発協力の適正性確保のための各原則を「常に踏まえた上で、相手国の開発需要及び経済社会状況、二国間関係等を総合的に判断の上、開発協力を実施する」とあるとおり、政府としては、諸般の状況を総合的に判断の上、ODAを実施することを基本的考え方としており、ODAの具体的な実施に当たっては、この考え方に基づき、個別具体的に判断することとなる。