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各省庁事業の執行率に関する質問主意書
経過状況:答弁受理
各省庁は、様々な事業に係る経費を予算計上し、その執行により当該事業の目的を達成し、成果を得ているとされる。各省庁の事業成果を評価する上で、執行率は重要な指標の一つである。この執行率の計算方法の在り方について、以下質問する。
質問1
「行政事業レビュー見える化サイト」で用いられている予算(分母)・執行額(分子)の執行率の計算方法は、令和六年度(二〇二四年度)行政事業レビューより、次年度へ繰り越した場合でも当該予算年度の執行率(分母)に含める対応に統一していると聞く。
他方、会計検査院による検査及び財務省の予算執行調査においては、執行率の計算方法について従前から同様の取り扱いであったと聞くが事実か。また、令和六年度(二〇二四年度)行政事業レビューより、次年度へ繰り越した場合でも当該予算年度の執行率(分母)に含めることとした理由及びそれまで次年度への繰越金を執行率(分母)に含めていなかった理由について明らかにされたい。
回答(質問1 について)
お尋ねの「執行率の計算方法」について、会計検査院の検査においては、当該方法について統一的に定めたものはないものと承知している。また、財務省の予算執行調査においても、当該方法について統一的に定めたものはない。
行政事業レビューにおいては、翌年度繰越額は翌年度の予算として執行されることを踏まえ、令和五年度までは、行政事業レビューシートにおける執行率の計算に当たり「予算額」から翌年度繰越額に相当する額を除くこととしていたが、令和六年度からは、当該シートを予算編成過程で積極的に活用できるようにする観点から、当該シートにおける「予算額」を、予算編成過程で議論される決算上の歳出予算現額に合わせることとし、執行率の計算に当たり「予算額」から翌年度繰越額に相当する額を除かないこととしたものである。
質問2
一部省庁が、二〇二四年に国会議員からの資料要求に応じた際、前項の当該予算年度の執行率(分母)に次年度への繰越金を含めない計算方法による執行率を資料として提出してきた事例があった。政府はこのような事実を認識しているか。
また、執行率の計算方法について、次年度への繰越金を当該予算年度の執行率(分母)に含めることを各省庁に統一させなければ、今後も混乱が生じると考える。執行率の計算方法について、政府の見解を伺いたい。
回答(質問2 について)
御指摘の「一部省庁が、二〇二四年に国会議員からの資料要求に応じた際、前項の当該予算年度の執行率(分母)に次年度への繰越金を含めない計算方法による執行率を資料として提出してきた事例」がいずれのものを指すのか定かではないが、外部からの要求に応じて当該方法により執行率を計算した資料を提出した事例があると承知している。
他方で、執行率について、政府として計算方法を統一的に定めたものはないが、資料の目的等に応じて計算方法を使い分けているものと承知しており、このような対応の下で特段の問題が生じているとは考えていない。
質問3
財務大臣の行う予算執行調査において、予算の執行率が低い事業、次年度への繰越金が毎年多額に上る事業に対して、どのような基準で指摘を行っているのか。低執行率事業に対する政府の基本的な対処方針を伺いたい。
回答(質問3 について)
前段のお尋ねについて、予算執行調査は財務省主計局の予算の査定を行う職員が中心となって予算執行の実態を調査して各事業の特性に応じて改善すべき点を指摘し、当該事業に係る予算の見直しや執行の効率化等につなげていく取組であり、お尋ねの「予算の執行率が低い事業」及び「次年度への繰越金が毎年多額に上る事業」に対して、どのように指摘するかについて、統一的な基準を定めていない。
また、後段のお尋ねについて、当該年度の予算事業の執行の状況を踏まえ、翌年度以降の予算編成等において当該事業の予算について適正に見積りを行い、各省各庁において適正に予算を執行していくことが重要であると考えている。
質問4
予算執行調査は、会計法第四十六条に基づく監査に該当せず、財務省設置法第四条第一号の規定も直接の根拠規定に当たらず、法的根拠がないとされるが事実か。また、予算執行調査について、法的根拠を与える必要はないか、政府の見解を伺いたい。
回答(質問4 について)
前段のお尋ねについて、予算執行調査を規定する法律はない。
また、後段のお尋ねについて、財務大臣は、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第十八条の規定により予算に係る必要な調整を行うこと、会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第四十六条の規定により予算の執行の適正を期するため、各省各庁に対して、収支の実績又は見込みについて報告を徴し、予算の執行状況について実地監査を行うこと等の権限を有しており、予算執行調査は、これらの権限を背景として実施しているものである。