TOP > 質問主意書・答弁書 > 竹上裕子:外国人の国民健康保険...
外国人の国民健康保険料等の支払状況の実態調査及び外国人の医療保険制度を別立てにすることに関する質問主意書
経過状況:答弁受理
我が国においては、国民皆保険制度の下、誰もが安心して医療を受けられる医療制度が実現され、世界最高レベルの平均寿命と保健医療水準が達成されてきた。その一方で、少子高齢化の進展、経済情勢の変化に対応し、今後とも医療保険制度の持続可能性を確保していかなければならない。
しかしながら、我が国の医療保険制度に関しては、永住資格のある外国人の国民健康保険料等の滞納率が一部の自治体で日本人の三ないし四倍に上る旨の報道(令和六年八月二十日付け産経新聞朝刊)、東京都豊島区における令和三年度の国民健康保険料の滞納率が外国人で三十九・三%であった旨の報道(令和六年二月十日付け日本経済新聞朝刊)、無保険の外国人が別人の健康保険証を借りて受診したケースに関する厚生労働省政府参考人の答弁(第二百十一回国会参議院地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会会議録第十一号、令和五年五月十九日)など真面目に保険料・保険税を支払っている被保険者の感情を逆なでする状況が散見される。
我が国における医療保険制度の持続可能性を確保していくためには、医療費の適正化や効率化も重要であるが、外国人からの確実な保険料徴収や、不正受給の防止、さらには外国人の医療保険制度の在り方の検討も避けて通れない問題であると考える。
こうした観点から、次の事項について質問する。
質問1
令和六年八月十七日付け日本経済新聞朝刊においては、厚生労働省は、日本に暮らす外国人をめぐり、年金や医療などの保険料の納付実態を把握する初めての調査を計画しており、今後、どのような方法で現状を把握できるかを検討して、調査の進め方の詳細を詰める旨が報じられている。当該調査を早急に実施すべきと考えるが、調査の方法、実施時期及び進め方についての検討状況並びに進捗状況をお示し願いたい。
回答(質問1 及び質問2 について)
お尋ねの「調査」については、令和六年五月十五日の衆議院厚生労働委員会において、武見厚生労働大臣(当時)が「どのようなデータを把握すべきかという点については、その目的、さらに、調査にかかる自治体の負担などに配慮もしながら、法務省とも連携をして、こうした調査の在り方について丁寧に検討していくことが必要だと私は考えます。」と答弁したとおりであり、現在、厚生労働省を中心に地方自治体等と調整を行いながら、「調査」に向けて必要な検討を行っているところであるが、お尋ねの「検討状況並びに進捗状況」及び「今後の方針」については、現時点で具体的にお答えする段階にない。
質問2
厚生労働省は、今後の政策立案に当たり、前記一に係る調査により得られた外国人による年金や医療などの保険料の納付実態に係る調査結果をどのように活用するのか。当該調査結果の活用に向けた今後の方針をお示し願いたい。
回答(質問1 及び質問2 について)
お尋ねの「調査」については、令和六年五月十五日の衆議院厚生労働委員会において、武見厚生労働大臣(当時)が「どのようなデータを把握すべきかという点については、その目的、さらに、調査にかかる自治体の負担などに配慮もしながら、法務省とも連携をして、こうした調査の在り方について丁寧に検討していくことが必要だと私は考えます。」と答弁したとおりであり、現在、厚生労働省を中心に地方自治体等と調整を行いながら、「調査」に向けて必要な検討を行っているところであるが、お尋ねの「検討状況並びに進捗状況」及び「今後の方針」については、現時点で具体的にお答えする段階にない。
質問3
日本保守党は、その重点政策項目の一つである「移民政策の是正−国益を念頭に置いた政策へ」において、健康保険法改正(外国人の健康保険を別立てにする)を掲げている。この点に関し、外国人による保険料の滞納や、不正受給が横行することによる医療保険財政の毀損を防ぐため、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)及び高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)をはじめとする医療保険制度に関する法律改正等を行い、当該法律等の対象となっている外国人については、対象から外した上で、それらの外国人を対象とした新たな医療保険制度を創設することを提言している。このような制度設計のメリット及びデメリットについて、政府の見解をお示し願いたい。
回答(質問3 について)
医療保険制度は、社会連帯と相互扶助の理念等に基づき、国籍のいかんを問わず等しく保障を及ぼすべきであるという我が国の社会保険制度の基本的な考え方に照らし、外国人についても、適正な在留資格を有し、加入要件を満たしている場合には、原則として適用対象としているところであり、御指摘の「新たな医療保険制度を創設する」べきとは考えておらず、したがって、お尋ねの「制度設計」について、政府として具体的に検討していないことから、その「メリット及びデメリット」についてお答えすることは困難である。