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JR中央・総武線乗務員の原因不明の体調不良に関する質問主意書
経過状況:答弁受理
JR中央・総武線の三鷹駅から千葉駅にかけての各駅停車を担当する「中野統括センター南乗務ユニット」(旧中野電車区)において、運転士が体調不良でオーバーランした後に乗務中断するなどといったケースが過去三年間に約四十件発生しており、通称「中電病(なかでんびょう)」と言われている。
二〇二四年に限っても一月から六月に体調不良で乗務継続不可能となった事象が我孫子運輸区で一件、池袋運輸区で一件あったとされるが、同時期に旧中野電車区では十四件と突出している。これについてJR東日本でも運転士が飲む物の水質検査や健康診断などを実施していると承知しているが、原因についてはいまだ不明とされる。また七月以降も比率は少ないものの津田沼の乗務ユニットでも数件発生しているなど、安全が最優先され多くの乗客の命を預かる鉄道において、原因不明の症状が運転に影響を与えているという事実は、中央・総武線を利用する乗客に不安をもたらすこととなっている。
そこで、以下質問する。
質問1
国土交通省として、前記の症状や症例数について把握しているか。把握している場合はそれについて政府の見解如何。
回答(質問1 について)
お尋ねについては、把握していない。
質問2
二〇一九年に乗務員の勤務制度が改正され、乗務時間や拘束時間が増えたとされる。また二〇二〇年には職場転換制度によって運転士が多く転出してしまい、超過勤務や休日勤務が多くなったという指摘がある。特に、当時の中野電車区で勤務シフトが過密になり、労働環境が厳しくなったという指摘もあるなか、こうした制度上の改変が影響を与えた可能性について、政府として調査する予定はあるか。予定している場合はそれについて政府の見解如何。
回答(質問2 について)
お尋ねについては、現時点では、御指摘のように「乗務時間や拘束時間が増えた」、「超過勤務や休日勤務が多くなった」及び「労働環境が厳しくなった」との情報は得ておらず、お尋ねの「調査」を行う予定はない。
質問3
JRの社内調査で原因が追究しきれない場合、社内の施設のみならず外的要因についても、政府として調査する予定はあるか。予定している場合はそれについて政府の見解如何。
回答(質問3 について)
御指摘の「外的要因」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、二についてで述べたとおり、お尋ねの「調査」を行う予定はない。
質問4
中電病に関する正確な情報を公衆に提供するために、政府として、どのようなコミュニケーション手段をとっているか、また不安を抱く市民に対して、どのような情報提供が行えると考えるか。
回答(質問4 について)
令和三年四月一日から令和六年六月三十日までの間における鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第十九条、第十九条の二及び第五十五条第一項の規定により東日本旅客鉄道株式会社から国土交通大臣に行われた報告において、お尋ねの「中電病」に関する報告は受けておらず、国土交通省として、「中電病」に関する情報を把握していないことから、現時点では、御指摘のように「中電病に関する正確な情報を公衆に提供する」ことはしておらず、また、お尋ねの「情報提供」を行うことは考えていない。
質問5
将来的に他の路線で同様の問題が発生しないようにするための長期的な対策について、政府はどのような検討を行っているか。
回答(質問5 について)
御指摘の「同様の問題」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、乗務員の体調管理等については、一義的には、鉄道事業者において検討されるべきものであると考えている。