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改正戸籍法に基づく振り仮名記載義務化の短期間での実施に関する質問主意書
経過状況:答弁受理
二千二十五年五月二十六日の改正戸籍法施行により、戸籍に氏名の振り仮名を記載することが義務化される。この取組は、行政のデジタル化を推進する一環として行われているが、効率的なデータ管理や本人確認の精度向上、不正行為の防止といった目的が掲げられているものの、その性急な進め方には大きな懸念が残る。
本年十一月十七日の時事通信社の報道によれば、施行を目前に控えた現時点で自治体から「間に合わない」という声が相次いでいるとのことである。全国民に振り仮名を通知し、修正が必要な場合には届け出る仕組みとなっているが、大量の通知発送や住民からの修正対応、問合せ対応など膨大な業務が発生する一方で、国からの具体的な支援や詳細な業務フローが十分に示されていないとされている。また、住民への周知不足が指摘されており、これにより自治体窓口への負担が大幅に増加する懸念もある。
こうした状況は、国が掲げる施策を円滑に進めるために必要な十分な時間的猶予を確保せず、性急に制度を進めようとしていることに原因があると考えられる。拙速な運用開始が自治体や住民に混乱をもたらさないよう、計画全体を見直し、現場に即した対応方法を慎重に検討する必要があるのではないかと考える。
以下これらの点を踏まえて質問する。
質問1
自治体から業務が「間に合わない」との声が相次いでいる中、施行後一年以内に振り仮名の届出を完了する計画が現実的であると判断した根拠は何か。また、政府は、そのスケジュールの妥当性をどのように検証したのかを明らかにされたい。
回答(質問1 について)
御指摘の「施行後一年以内に振り仮名の届出を完了する計画」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律(令和五年法律第四十八号。以下「改正法」という。)附則第六条第一項から第三項まで、第七条第一項から第三項まで並びに第八条第一項及び第二項は、改正法による戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の一部改正の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して一年以内に限り、氏又は名の振り仮名等の届出をすることができる旨規定しているところ、これらの規定は、氏又は名の振り仮名等の届出を義務付けるものではなく、適切な内容であると考えている。
質問2
報道によれば、国から自治体への具体的な支援や業務フローが十分に示されていないとされるが、この点について、政府の見解と対応策を示されたい。
回答(質問2 、質問3 、質問5 及び質問6 について)
改正法による戸籍法の一部改正の施行に向けては、市区町村の負担にも配慮しながら対応に努めてきたところであるが、今後とも、市区町村等の意見を聴きながら、国民や市区町村の負担軽減の観点も踏まえ、必要な準備を進めてまいりたい。
質問3
振り仮名登録業務に必要な経費に関し、国が自治体に負担を強いている現状について、政府はどのように認識しているのか。また、自治体の負担を軽減する具体的な策を明らかにされたい。
回答(質問2 、質問3 、質問5 及び質問6 について)
改正法による戸籍法の一部改正の施行に向けては、市区町村の負担にも配慮しながら対応に努めてきたところであるが、今後とも、市区町村等の意見を聴きながら、国民や市区町村の負担軽減の観点も踏まえ、必要な準備を進めてまいりたい。
質問4
通知する振り仮名の正確性について、地域によって異なる読み方がある名字(例えば、「小野」の読み方が「おの」「おのう」など複数存在する場合)、特殊な漢字や代用漢字を使用している場合、誤ったデータ入力や住民の申請ミスが起こった場合には、正確性が担保できない可能性があると考えられる。このような場合に正確性をどのように保証するのか、政府における具体的な対策を示されたい。また、誤りが発生した場合、その責任を国と自治体のどちらが負うのか、どのように役割分担がなされるのかも明確にされたい。
回答(質問4 について)
前段のお尋ねについては、「通知する振り仮名の正確性」及び「正確性が担保できない可能性」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、改正法附則第九条第四項の規定に基づき通知された振り仮名等が当該通知を受けた者の認識と一致していない場合には、施行日から一年以内に届出をすることにより、当該届出をした者の認識と一致した振り仮名等が戸籍に記載されることになる。
後段のお尋ねについては、仮定の質問であり、また、その趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難である。
質問5
オンライン手続に不慣れな高齢者やアクセスが難しい人々が修正手続で負担を負うことを防ぐため、政府はどのような支援策を講じる予定か。
回答(質問2 、質問3 、質問5 及び質問6 について)
改正法による戸籍法の一部改正の施行に向けては、市区町村の負担にも配慮しながら対応に努めてきたところであるが、今後とも、市区町村等の意見を聴きながら、国民や市区町村の負担軽減の観点も踏まえ、必要な準備を進めてまいりたい。
質問6
住民への周知が不足しているとの指摘があるが、この問題を解決するため、政府はどのように情報提供と手続への支援を行う予定か。
回答(質問2 、質問3 、質問5 及び質問6 について)
改正法による戸籍法の一部改正の施行に向けては、市区町村の負担にも配慮しながら対応に努めてきたところであるが、今後とも、市区町村等の意見を聴きながら、国民や市区町村の負担軽減の観点も踏まえ、必要な準備を進めてまいりたい。
質問7
改正戸籍法の施行に伴い、戸籍制度の管理やデジタル化が進む中、戸籍制度とマイナンバー制度の役割や関係性についても議論が求められると考えられる。両制度はそれぞれ異なる目的や役割を持つとされるが、政府はこれらを将来的にどのように位置づける方針なのか。また、両制度を統合する可能性について、現時点での見解を示されたい。
回答(質問7 について)
お尋ねの「戸籍制度の管理やデジタル化」及び「両制度を統合」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、戸籍制度及び個人番号に係る制度については、各制度の趣旨を踏まえ、引き続き適切な運用に努めてまいりたい。