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防衛費増額及び防衛増税に対する石破新内閣の姿勢に関する質問主意書
経過状況:答弁受理
岸田前内閣は、令和四年十二月に策定した防衛力整備計画において、令和五年度から令和九年度までの五年間に必要な防衛力整備の水準に係る金額を四十三兆円程度とした。同計画の下、防衛費は膨張の一途をたどっており、令和五年度当初予算では六・六兆円、令和六年度当初予算では七・七兆円、令和七年度概算要求では八・五兆円に上り、過去最大を更新し続けている。
これを踏まえ、次のとおり質問する。
質問1
岸田前政権下での防衛費の著しい膨張について、石破新内閣としては、どのように評価しているか。また、石破新内閣も、岸田前内閣の方針を引き継ぎ、防衛費を増額し続ける考えなのか、見解を伺いたい。
回答(質問1 について)
前段のお尋ねについては、「防衛力整備計画」(令和四年十二月十六日閣議決定)の実施に必要な防衛力整備の水準に係る四十三兆円程度という金額は、防衛力の抜本的強化を実現し、防衛省・自衛隊として役割を十全に果たすことができる水準として閣議決定した金額であると考えている。
後段のお尋ねについては、同計画に基づき、令和九年度の防衛関係費は八・九兆円程度とするとともに、それ以降の防衛力整備については、同計画において、「本計画期間中、二千二十三年度から二千二十七年度までの五年間において、装備品の取得・維持整備、施設整備、研究開発、システム整備等を集中的に実施するため、その後の整備計画においては、これを適正に勘案した内容とし、二千二十七年度の水準を基に安定的かつ持続可能な防衛力整備を進めるものとする。」としており、この方針について石破内閣においても変わりはない。
質問2
増額した防衛費の使途について、FMS調達等による高額な装備品の購入が目立っており、自衛隊員の処遇改善や福利厚生にはあまり予算が充てられていないのではないかという懸念がある。装備品の購入のための経費と自衛隊員の処遇改善や福利厚生に関する経費について、過去五年間の予算額及び対前年度伸び率の比較を示した上で、こうした懸念に対する政府の見解を伺いたい。
回答(質問2 について)
お尋ねの「装備品の購入のための経費と自衛隊員の処遇改善や福利厚生に関する経費」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、?戦車・火砲、航空機、艦船等の装備品の取得に係る物件費(契約ベース)並びに?隊舎の整備や制服等の需品の調達などの自衛隊員の生活及び勤務環境の改善に係る物件費(契約ベース)について、令和二年度から令和六年度までの各年度における当初予算額及び対前年度伸び率をお示しすると、それぞれ以下のとおりである。なお、?自衛隊員の生活及び勤務環境の改善に係る物件費(契約ベース)については、集計を開始したのが令和三年度予算以降であることから、令和二年度の当初予算額及び令和三年度予算における対前年度伸び率についてお答えすることは困難である。
令和二年度予算 ?約一兆千三百七十三億円 マイナス約七パーセント
令和三年度予算 ?約九千七十六億円 マイナス約二十パーセント ?約八百七十九億円
令和四年度予算 ?約八千八百七十一億円 マイナス約二パーセント ?約九百八十六億円 約十二パーセント
令和五年度予算 ?約三兆四千八百四億円 約二百九十二パーセント ?約二千六百九十三億円 約百七十三パーセント
令和六年度予算 ?約三兆八千三百九十二億円 約十パーセント ?約三千八百七十三億円 約四十四パーセント
いずれにせよ、「防衛力整備計画」の策定に当たっては、自衛隊員の処遇の向上といった人的基盤の強化にも十分に配意している。
質問3
岸田前内閣は、防衛費増額に伴う財源確保策の一つとして増税を行うこととした。令和五年度決算において、予算計上したが結果として使わなかった防衛費の不用額が千三百億円程度に上ることも報じられている。石破新内閣においても、防衛費増額を賄うための増税が必要という認識に変更はないか伺いたい。
回答(質問3 について)
防衛力強化に係る財源確保のための税制措置については、所得税法等の一部を改正する法律(令和六年法律第八号)附則第七十四条の規定に定められた方針等に沿って、今後検討を進めることとしている。