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いわゆる「闇バイト」問題に関する質問主意書

経過状況:

答弁受理

提出者 松原仁
会派 無所属
公式リンク 第216回国会 / 質問答弁

政府は十一月二十二日の臨時閣議において、総合経済対策を決めた。その中に、首都圏を中心に、相次いで発生している、いわゆる「闇バイト」に端を発した凶悪強盗事件に対処する施策も含まれている。この施策には、警察による相談対応体制の拡充や取締りに必要な体制の確保などが含まれている。

いわゆる「闇バイト」に端を発した凶悪強盗事件は、人が殺される事案が発生するなど社会不安を高めている。日本の安全神話が崩壊したと言われて久しいが、それでも、日本より治安が良いと評価される国はそれほど多くはない。しかし、いわゆる「闇バイト」を通じた若年層の意図しない犯罪関与が深刻な社会問題となっている現状を放置すれば、日本社会の不安定化と犯罪の蔓延が進み、治安のさらなる悪化を招きかねない。

いわゆる「闇バイト」の問題が、若年層の意図しない犯罪関与と密接な関係にあることが周知されてきた中で、その背景に、経済格差とその固定化傾向が影響しているのではないかとする指摘もある。

そこで、次のとおり質問する。

質問1

経済的困窮者の「闇バイト」への関与について

いわゆる「闇バイト」の問題で、金銭的困窮者が不法行為に誘導され、加害者であり、被害者となってしまう現状があるとされる。このように経済格差が「闇バイト」の問題に与える影響について、政府として、具体的な調査・分析を行ったことがあるか。ない場合は、今後、そのような調査・分析を、政府として行うことを検討するか明らかにされたい。

回答(質問1 について)

 お尋ねの「経済格差が「闇バイト」の問題に与える影響」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

質問2

若年層の犯罪防止とセーフティネット整備について

1 若年層の犯罪関与を防ぐためには、経済的貧困層と若年層に対する経済的セーフティネットの整備、充実が有効と考えるが、政府は、現在の施策で十分と考えているか。

2 前項において、政府が、不十分と認識している場合、政府として具体的に検討している対策があるか。そのような対策があれば明らかにされたい。

回答(質問2 について)

 お尋ねについては、御指摘の「経済的貧困層と若年層に対する経済的セーフティネットの整備、充実」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、令和六年十二月三日の参議院本会議において、石破内閣総理大臣が「貧困や若者の不安定な就労といった問題につきましては、経済的に困窮する方に対する自立に向けた包括的な支援、ハローワークにおけるきめ細かな就職支援、正社員への転換に取り組む事業主の支援などを行っておるところでございます。・・・引き続き、治安対策や経済的に困窮する方への支援などに積極的に着実に取り組んでまいります。」と答弁したとおりである。

質問3

いわゆる「闇バイト」に対する警察対応について

1 これまで、「闇バイト」のような非合法事案に関する人員募集は、いわゆるダークネットのような一般人が目にしにくい環境で行われることが多かった。しかし、近時は、他の求人募集と同様の募集方法を通じて、一見割の良いアルバイトとしての募集が行われる傾向にある。このように応募者に責められる要素がなく、誰もが被害者であり加害者となり得る巧妙な犯罪行為に対し、これまでの捜査では対応が困難なはずである。政府としても、おとり捜査を含めたこのような巧妙な犯罪に対処するための法改正を含めた対応を検討すべきと考えるが、政府の見解如何。

2 これまで、警察行政は、交通安全教育など子供の交通安全認識を高める事業を行ってきた。これからは、このような教育啓発活動を、「闇バイト」など、一見割の良いアルバイトへの応募が犯罪に巻き込まれるリスクをはらむ問題や、当職が率先して対策を求めてきた悪質ホストクラブの売掛金問題のように、恋心など人の弱い所に付け込み公序良俗に反する契約を無意識的に結ばせる詐欺的行為の問題などにも広げていくべきと考えるが、政府の見解如何。

回答(質問3 の1について)

 政府としては、御指摘の「闇バイト」に係る犯罪について、捜査員が「闇バイト」の募集に応じ、当該募集に係る関係者と接触した際に、架空の本人確認書類等を使用する手法を用いた捜査を早期に実施することを含め、効果的な対策の在り方を不断に検討し、必要な取組を推進しているところである。

回答(質問3 の2について)

 御指摘の「闇バイト」及び「悪質ホストクラブ」に関する啓発活動については、例えば、都道府県警察において、大学や高等学校で講義を行うなどしているほか、政府において、犯罪に加担しようとする者に対するインターネット等を活用した呼び掛け等の取組を行っているところであり、政府としては、これらの取組を引き続き推進してまいりたい。