沖縄県うるま市において防衛省が計画していた陸上自衛隊訓練場に代わる新たな訓練場の設置に関する質問主意書
過日、防衛省は、沖縄県うるま市において整備を計画していた陸上自衛隊訓練場の用地取得を断念した。しかし、防衛省は同計画の断念を公表した後も、沖縄県内での代替地取得を引き続き検討する旨を示唆している。
ついては、沖縄県における陸上自衛隊訓練場の整備計画に関し、以下質問する。
質問1
防衛省は、沖縄県において新たな陸上自衛隊訓練場が必要となる理由について、沖縄県に所在する陸上自衛隊第十五旅団の師団化に伴うものと説明しているが、人員増によって新たに必要になる訓練場の面積は全体でどのぐらいの規模なのか、答えられたい。
回答(質問1 について)
防衛省においては、沖縄県うるま市における訓練場の整備は取りやめたものの、陸上自衛隊第十五旅団の師団への改編に伴い、追加的に発生する訓練等の所要を満たす必要性に変わりはないことから、訓練等の在り方について再検討を行っているため、現時点において、お尋ねにお答えすることは困難である。
質問2
すでに中止された沖縄県うるま市での計画によれば、訓練場用地として取得対象となっていたのは約二十ヘクタールの土地一カ所であるが、防衛省は、同計画以外にも、沖縄県内に第二、第三の訓練場を新たに整備する構想を有しているのか、明らかにされたい。
回答(質問2 及び質問5 について)
現時点においては、主に石垣駐屯地に所在する部隊が訓練を実施するための場所として、同駐屯地の西側の隣接地を取得することとしているが、そのほかに、離島を含め、鹿児島県及び沖縄県において訓練場を整備する具体的な計画はない。
質問3
沖縄県内で新たに整備予定の訓練場において実施しようとしている訓練はどのような内容か、具体的に答えられたい。
回答(質問3 について)
二及び五についてで述べた石垣駐屯地の西側の隣接地においては、新隊員等の教育訓練、駐屯地等の警備に係る訓練、人命救助、浄水等の災害対応のための訓練等を行うことを想定している。
質問4
沖縄県内において新たに整備する訓練場を、訓練以外の用途に使用することはあり得るのか。あるならば、その内容を答えられたい。
回答(質問4 について)
お尋ねについては、例えば、災害発生時における自衛隊の活動拠点や地域住民の避難場所として活用することがあり得ると考える。
質問5
沖縄、鹿児島両県において、離島で陸上自衛隊訓練場を整備する考えはあるか、明らかにされたい。
回答(質問2 及び質問5 について)
現時点においては、主に石垣駐屯地に所在する部隊が訓練を実施するための場所として、同駐屯地の西側の隣接地を取得することとしているが、そのほかに、離島を含め、鹿児島県及び沖縄県において訓練場を整備する具体的な計画はない。
質問6
南西諸島において陸上自衛隊訓練場が整備された場合、それらを米軍が使用することはあり得るのか、明らかにされたい。
回答(質問6 について)
お尋ねについては、仮定の質問であり、また、米軍等との調整が必要なものであることから、お答えすることは困難である。
質問7
政府が沖縄の基地負担軽減に全力で取り組む姿勢を示す一方で、陸上自衛隊第十五旅団の師団化とそれに伴う新たな訓練場の整備を進めていくことは、沖縄の基地負担の軽減に逆行しているのではないかと考えるが、政府の見解を伺いたい。
回答(質問7 について)
米軍の施設及び区域が集中する沖縄の負担軽減については、政府の最重要課題の一つであると考えており、全力で取り組んでいるところである。
一方で、防衛省としては、国民の生命及び財産を守るため、南西地域における防衛体制の強化として陸上自衛隊第十五旅団の師団への改編及びこれに伴って追加的に発生する訓練等の所要を満たすための取組を行っているところであり、このことは先に述べた政府の取組に逆行するものとは考えていない。