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定員内不合格に関する質問主意書

会派 立憲民主党
議案提出者 田嶋要
公式リンク 第213回国会 / 質問 答弁

二〇一四年に日本が批准したいわゆる国連障害者権利条約の審査にて、インクルーシブ教育への勧告を受ける状況下で、障害者のみに定員内不合格を出している事例は問題視すべきである。より豊かな人間性、より豊かに成長できるのが、世界的にも確認されているインクルーシブ教育である。高校の授業料無償化が進み実質的に義務教育と言える状況下において、障害ある子供の学ぶ権利を侵害しながら教員の裁量権が尊重される現状は、共生社会の形成を目指す国の指針とは完全に逆行している。この問題の地域格差が拡大傾向にある点も大きな問題である。

このような時代背景を踏まえ、歴代文科大臣が「障害を理由にした定員内不合格はあってはならない」という発言を繰り返されているが、実態として千葉県公立高校では、昨年、今年と二年続けて知的障害者が一次・二次・追加募集の三回定員内不合格という結果を受けている。知的障害者のみならず、身体障害者の定員内不合格も発生している。「定員内不合格を出す場合には、その理由について十分に説明をし、理解を得るべきものと考える」と歴代文科大臣が答弁されているものの、千葉県の直近事例では十分な説明責任が果たされていない。障害を理由にした不合格である点は否定しながら、「評価基準に達していない」、「総合的判断」などの具体性に欠ける説明しか受けていない。到底納得のいくものではない。基準に達していないのは、障害があるからと考えるのが自然であり、「不合格は障害が理由ではない。基準に達していないからだ」という説明には矛盾が生じている。

質問1

「あってはならないこと」という歴代文科大臣答弁を軽視し、障害者のみが定員内不合格となっている事象が繰り返されている教育現場の実態をどうお考えか。

回答(質問1 、質問2 、質問4 及び質問5 について)

 文部科学省としては、御指摘のように「障害者のみが定員内不合格となっている」とは認識しておらず、それを前提としたお尋ねについてお答えすることは困難である。いずれにせよ、御指摘の「定員内不合格」に対する考え方については、令和四年四月二十一日の参議院文教科学委員会において、末松文部科学大臣(当時)が「高等学校の入学者選抜の方法につきましては、・・・各都道府県の教育委員会の実施者が決定しまして、各学校長がその学校に期待される社会的役割や学科等の特色を踏まえてその学校及び学科等で学ぶための能力や適性等を適切に判断することとされておりまして、定員内不合格自体が必ずしも否定されているものではございません。一方で、障害を理由に入学を認めないということはあってはならないと考えております。当然です。このため、文部科学省では、障害者差別解消法を踏まえまして、合理的配慮の具体例として、入学試験の実施に際して別室受験実施や時間の延長等の実施方法の工夫を示すとともに、可能な限り配慮を行う、都道府県委員会に対して周知をしているところでございます。その上で、定員内不合格を出す場合には、その理由について十分に説明をし、理解を得るべきものと考えてございます。」と述べているとおりである。

質問2

「定員内不合格を出す場合には理由を説明し理解を得るべき」とされるが、障害のない生徒と同一の基準を障害のある生徒にそのままあてはめ、「基準に達していない」という説明で不合格にされるのは障害者差別にあたり、当事者は納得し難く、理解できる理由とはなりえないのではないか。

回答(質問1 、質問2 、質問4 及び質問5 について)

 文部科学省としては、御指摘のように「障害者のみが定員内不合格となっている」とは認識しておらず、それを前提としたお尋ねについてお答えすることは困難である。いずれにせよ、御指摘の「定員内不合格」に対する考え方については、令和四年四月二十一日の参議院文教科学委員会において、末松文部科学大臣(当時)が「高等学校の入学者選抜の方法につきましては、・・・各都道府県の教育委員会の実施者が決定しまして、各学校長がその学校に期待される社会的役割や学科等の特色を踏まえてその学校及び学科等で学ぶための能力や適性等を適切に判断することとされておりまして、定員内不合格自体が必ずしも否定されているものではございません。一方で、障害を理由に入学を認めないということはあってはならないと考えております。当然です。このため、文部科学省では、障害者差別解消法を踏まえまして、合理的配慮の具体例として、入学試験の実施に際して別室受験実施や時間の延長等の実施方法の工夫を示すとともに、可能な限り配慮を行う、都道府県委員会に対して周知をしているところでございます。その上で、定員内不合格を出す場合には、その理由について十分に説明をし、理解を得るべきものと考えてございます。」と述べているとおりである。

質問3

高校が説明責任を果たせないなら、設置者である都道府県が代行すべきではないのか。

回答(質問3 について)

 御指摘の「代行」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、公立高等学校の入学者選抜の実施方法等は都道府県教育委員会等入学者選抜の実施者が決定し、高等学校の入学は入学者選抜に基づいて校長が許可するものであり、御指摘の「定員内不合格」が生じる場合の理由の説明の在り方については、都道府県教育委員会等及び校長において適切に判断されるべきものであると考えている。

質問4

国連勧告を無視し、定員が割れているにもかかわらず、障害のある生徒とない生徒が一緒に学ぶ権利を奪う都道府県教育機関のふるまいをどうお考えか。

回答(質問1 、質問2 、質問4 及び質問5 について)

 文部科学省としては、御指摘のように「障害者のみが定員内不合格となっている」とは認識しておらず、それを前提としたお尋ねについてお答えすることは困難である。いずれにせよ、御指摘の「定員内不合格」に対する考え方については、令和四年四月二十一日の参議院文教科学委員会において、末松文部科学大臣(当時)が「高等学校の入学者選抜の方法につきましては、・・・各都道府県の教育委員会の実施者が決定しまして、各学校長がその学校に期待される社会的役割や学科等の特色を踏まえてその学校及び学科等で学ぶための能力や適性等を適切に判断することとされておりまして、定員内不合格自体が必ずしも否定されているものではございません。一方で、障害を理由に入学を認めないということはあってはならないと考えております。当然です。このため、文部科学省では、障害者差別解消法を踏まえまして、合理的配慮の具体例として、入学試験の実施に際して別室受験実施や時間の延長等の実施方法の工夫を示すとともに、可能な限り配慮を行う、都道府県委員会に対して周知をしているところでございます。その上で、定員内不合格を出す場合には、その理由について十分に説明をし、理解を得るべきものと考えてございます。」と述べているとおりである。

質問5

定員内不合格には、地域格差が生じている。公的機関にもかかわらず、教育を受ける権利・行政サービス提供に大きな乖離があるのは問題と考えないのか。

回答(質問1 、質問2 、質問4 及び質問5 について)

 文部科学省としては、御指摘のように「障害者のみが定員内不合格となっている」とは認識しておらず、それを前提としたお尋ねについてお答えすることは困難である。いずれにせよ、御指摘の「定員内不合格」に対する考え方については、令和四年四月二十一日の参議院文教科学委員会において、末松文部科学大臣(当時)が「高等学校の入学者選抜の方法につきましては、・・・各都道府県の教育委員会の実施者が決定しまして、各学校長がその学校に期待される社会的役割や学科等の特色を踏まえてその学校及び学科等で学ぶための能力や適性等を適切に判断することとされておりまして、定員内不合格自体が必ずしも否定されているものではございません。一方で、障害を理由に入学を認めないということはあってはならないと考えております。当然です。このため、文部科学省では、障害者差別解消法を踏まえまして、合理的配慮の具体例として、入学試験の実施に際して別室受験実施や時間の延長等の実施方法の工夫を示すとともに、可能な限り配慮を行う、都道府県委員会に対して周知をしているところでございます。その上で、定員内不合格を出す場合には、その理由について十分に説明をし、理解を得るべきものと考えてございます。」と述べているとおりである。