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子ども・子育て支援金の試算に関する質問主意書

会派 日本共産党
議案提出者 宮本徹
公式リンク 第213回国会 / 質問 答弁

子ども・子育て支援金について、この間、医療保険ごとの年収別の支援金額をこども家庭庁が示しているが、報道を見ていると、比較できない金額を表で比較するなど、混乱が見られる。そこで、医療保険ごとに、年収別の支援金額について国民が比較できるよう以下、質問する。なお、この間のこども家庭庁の説明と同じように、月額の支援金額は「五十円丸め」で答えられたい。また、この間のこども家庭庁の説明と同じように、二〇二八年度見込額で示されたい。

質問1

四月十一日の衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会で、加藤鮎子国務大臣が、国保の被用者の世帯の加入者一人当たりの支援金額について、「あえて同様の方法で計算させていただくとすれば、その上位一割に該当する年収四百万円の場合は、加入者一人当たり月五百五十円、年収六百万円の場合は、上位、約五%に該当し、さらにサンプルが少ないため、本当に御参考までになりますけれども、月八百円となります」、「年収八百万円の場合は、機械的に計算したらということになりますが、加入者一人当たり月千百円となります」旨を述べている。

1 ここでいう「同様の方法」とは、どのような構成の世帯について、加入者一人当たりの支援金額を試算したものか。三月二十九日に、こども家庭庁が公表した「子ども・子育て支援金に関する試算」の(注3)に夫婦子一人の三人世帯(夫の給与収入のみ)の加入者一人当たりの支援金額が、年収ごとに記載されているが、これと「同様の方法」ということか。

2 この答弁で述べた加入者一人当たりの支援金額の試算で用いた世帯構成の場合、一世帯当たりの額の支援金額(加入者人数で割る以前のもの)は、年収四百万円の世帯、年収六百万円の世帯、年収八百万円の世帯、それぞれいくらになるか政府の見解を示されたい。

3 三月二十九日の「子ども・子育て支援金に関する試算」や四月十一日の答弁で示した支援金額の算出に用いた試算方法を用いれば、国保に加入する給与所得のみ単身世帯の月額の支援金額は、年収二百万円の場合、年収四百万円の場合、年収六百万円の場合、年収八百万円の場合について、それぞれいくらになるのか政府の見解を示されたい。

回答(質問1 の1について)

 御指摘の答弁においてお答えした国民健康保険の「加入者一人当たり支援金額」の試算は、令和六年三月二十九日にこども家庭庁長官官房総務課支援金制度等準備室が公表した「子ども・子育て支援金制度における給付と拠出の試算について」の五ページの注3の記載と同様に、「夫婦子一人の三人世帯(夫の給与収入のみ)」に属する加入者の場合を仮定して行ったものである。

回答(質問1 の2について)

 お尋ねの「年収四百万円の世帯、年収六百万円の世帯、年収八百万円の世帯」の「一世帯当たりの額の支援金額」については、国民健康保険の加入者が属する「夫婦子一人の三人世帯(夫の給与収入のみ)」のうち年収四百万円以上のものの数が極めて限られており、一世帯が負担することとなる額としては必ずしも平均的なものではないため、無用の誤解を生ずるおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。

回答(質問1 の3について)

 御指摘の「三月二十九日の「子ども・子育て支援金に関する試算」や四月十一日の答弁で示した支援金額の算出に用いた試算方法」は、主として年収八十万円から三百万円までの「夫婦子一人の三人世帯(夫の給与収入のみ)」に属する加入者について試算することを前提として用いた方法であり、お尋ねの年収二百万円以上の「国保に加入する給与所得のみ単身世帯の月額の支援金額」の計算にそのまま当てはめることが適当なものであるか否かについて慎重な検討が必要であるため、お答えすることは差し控えたい。

質問2

四月九日、こども家庭庁が「被用者の年収別の支援金額(機械的な計算)」について公表し、二〇二八年度の支援金額は、月額・五十円丸めで、年収二百万円で三百五十円、年収四百万円で六百五十円、年収六百万円で千円、年収八百万円で千三百五十円、年収千万円で千六百五十円と示した。これは被保険者の年収別の機械的な試算とされているのが、この月額の支援金額が、世帯の支援金額と等しくなるのはどのような世帯か。夫婦子一人の三人世帯(夫の給与所得のみ)、単身世帯(給与所得のみ)は、こども家庭庁が示した月額の支援金額が、世帯の支援金額と等しくなるか。

回答(質問2 について)

 お尋ねの「月額の支援金額が、世帯の支援金額と等しくなる」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

質問3

公的医療保険制度を使うことで、同じ収入・同じ世帯構成でも、保険者ごと、地域ごとに子育て支援金の負担額が異なる。子ども・子育て支援金としては、正当化し得ない制度設計ではないか。

回答(質問3 について)

 健康保険制度は、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第五十二条等に規定する保険給付のほか、被保険者等の健康の保持増進のために必要な事業その他の法律の規定に基づく事業を行うことにより、健康保険法第一条等に規定する目的を達成しようとするものである。子ども・子育て支援納付金を充てる給付及び事業は、同法等に基づく保険給付や事業と同様の趣旨のものであって、同条等に規定する目的の達成に寄与することから、子ども・子育て支援納付金の納付に要する費用を同法等に基づく保険料等として徴収するという制度設計は、妥当であると考える。