分かりやすい衆議院・参議院

学校給食における牛乳の扱いに関する質問主意書

会派 立憲民主党
議案提出者 松原仁
公式リンク 第213回国会 / 質問 答弁

現在、多くの学校給食において牛乳が提供されている。これは、昭和二十九年文部省令第二十四号「学校給食法施行規則」第一条で、「学校給食の区分」として「完全給食」「補食給食」「ミルク給食」の三種類が定められているが、すべての区分で「ミルク」を給食すると規定されていることが根拠となっている。

一方、学校給食の現場では、次の?及び?の事実が認められている。

そこでお尋ねする。

質問1

給食の定義中「ミルク」とは、牛乳のほか、各種「植物性ミルク」も含むと解釈可能と考えるが、文部科学大臣の見解如何。また、当職と同見解であれば、地方自治体に同解釈を積極的に周知すべきと考えるが、同大臣の見解如何。

回答(質問1 について)

 お尋ねの「解釈可能と考える」の意味するところが必ずしも明らかではないが、学校給食の内容については、学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第二条に規定する学校給食の目標を達成するため、学校給食を実施する義務教育諸学校の設置者において、学校給食実施基準(平成二十一年文部科学省告示第六十一号)に照らして、学校給食全体として必要な栄養素をバランス良く確保する等の観点から適切に判断すべきものと考えており、このような考え方は、例えば、「学校給食実施基準の一部改正について(通知)」(令和三年二月十二日付け二文科初第千六百八十四号文部科学省初等中等教育局長通知)の発出等を通じて周知してきたところである。なお、文部科学省としては、カルシウムの摂取に効果的であるとの観点から、御指摘の「ミルク」については、牛乳をはじめとする全乳及び部分的又は完全に脱脂した乳を想定している。

質問2

すべての自治体でまずは「診断書なしの牛乳拒否」を認めるとともに、牛乳を拒否したいとする学童・保護者が豆乳、アーモンドミルク、オーツミルク、ライスミルクなど、植物性ミルクを選択できるよう進めるべきと考えるが、同大臣の見解如何。また、それができなければ(給食費を有償とする自治体においては)給食費の減額を行うべきと考えるが、同大臣の見解如何。

回答(質問2 について)

 「「診断書なしの牛乳拒否」を認める」「べき」とのお尋ねについては、その意味するところが必ずしも明らかではないが、学校給食における食物アレルギーを有する児童生徒への対応については、文部科学省が監修し、公益財団法人日本学校保健会が作成した「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン(令和元年度改訂)」において、児童生徒の個別の健康状態への配慮の観点から、食物アレルギーを有する児童生徒の保護者が、学校の設置者に対し、医師の診断に基づく「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」を提出することを求めており、食物アレルギーを有する児童生徒が、安心して安全に学校生活を送ることができるようにするため、現時点でこの取扱いを変更することは考えていない。

 「植物性ミルクを選択できるよう進めるべき」とのお尋ねについては、御指摘の「牛乳を拒否したいとする学童・保護者」の範囲及び「選択」の意味するところが必ずしも明らかではないが、学校給食の内容及び実施方法については、一についてで述べたとおり、学校給食を実施する義務教育諸学校の設置者において、学校給食実施基準に照らして、学校給食全体として必要な栄養素をバランス良く確保する等の観点から適切に判断すべきものと考えている。

 「それができなければ・・・給食費の減額を行うべき」とのお尋ねについては、学校給食に要する経費の負担について定める学校給食法第十一条の規定を踏まえ、学校給食を実施する義務教育諸学校の設置者が適切に判断すべきものと考えている。