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二〇二四(令和六)年度介護報酬改定のベースアップ目標に関する再質問主意書

会派 れいわ新選組
議案提出者 大石あきこ
公式リンク 第213回国会 / 質問 答弁

令和六年二月二十九日提出に提出した「二〇二四(令和六)年度介護報酬改定のベースアップ目標に関する質問主意書」(第二百十三回国会質問第五一号)(以下「質問主意書」という。)に対する答弁書(内閣衆質二一三第五一号)では、衆議院予算委員会における武見厚生労働大臣の答弁等を引用しているが、今回の報酬改定で「ベースアップへと確実につながる」という合理的な説明はなかった。そのため、以下質問する。

質問1

質問主意書の質問一について、答弁では、令和六年二月六日の衆議院予算委員会における武見厚生労働大臣の発言を引き合いにし「全体としてプラス改定」と回答しているが、質問主意書では、具体的に改定後の処遇改善加算を取得してもマイナスになる事例を示したものである。

それなのに、なぜ「全体としてプラス改定」と言えるのか明確な回答がないので、再度質問するが、「特定事業所加算や認知症に関する加算を充実することなどにより、訪問介護は改定全体としてプラス改定としたところ」となるのであれば、何らかの試算があるものと推察するので、その計算根拠を示されたい。それとも、プラス改定となる計算根拠はないということでよろしいか。

回答(質問1 について)

 お尋ねについて、個々の訪問介護事業所において必ずしも御指摘のように「改定後の処遇改善加算を取得してもマイナスになる」というものではなく、令和六年度介護報酬改定において、訪問介護については、その基本報酬について引下げを行った一方で、介護報酬における処遇改善加算について加算率の引上げを通じて報酬額の増加を見込むとともに、当該処遇改善加算以外の各種の加算について報酬額の増加を見込み、これらを合計すると、御指摘のように「訪問介護は改定全体としてプラス改定」になるものと考えているが、お尋ねの「プラス改定となる計算根拠」については、御指摘の「試算」は一定の前提の下で行ったものであり、当該試算について具体的な数値で示すことは、今後の介護報酬の改定に関する議論に支障を来すおそれがあることなどから、お答えすることは差し控えたい。

質問2

質問主意書の質問二について、質問に明確に回答されていないので、再度質問するが、「過去の賃上げ実績をベースとしつつ、今般の報酬改定による加算措置などの活用や賃上げ促進税制を組み合わせること」により、「令和六年度に二・五%のベースアップへと確実につながる」と、なぜ言えるのか。「確実に」と言うからには、何らかの試算があるものと推察するので、その計算根拠を示されたい。それとも計算根拠はないということでよろしいか。

回答(質問2 及び質問4 について)

 お尋ねについて、令和六年度の二・五パーセントのベースアップについては、先の答弁書(令和六年三月十二日内閣衆質二一三第五一号。以下「前回答弁書」という。)五についてで述べたとおり、物価上昇率及び全産業平均の一人当たりの雇用報酬の伸びの見込みと整合的に求めているものであるが、御指摘のような「何らかの試算」に基づき数字を積み上げて算出したものではない。

質問3

また、質問主意書の質問二について、質問に明確に回答されていないので、再度質問するが、政府は令和六年二月〜五月の賃金引上げ分(介護職員処遇改善支援補助金)について、収入を二%程度(月額平均六千円相当)引き上げるための措置と説明してきた。「令和六年度に二・五%のベースアップ」というのは、令和六年二月〜五月の二%程度の賃金引上げとは別に、さらに上乗せして計二・五%引き上げるという意味か。それとも、「令和六年度に二・五%のベースアップ」というのは、令和六年二月〜五月の二%程度の賃金引上げを含む数値か。

回答(質問3 について)

 お尋ねについて、令和六年度の二・五パーセントのベースアップについては、令和六年六月からの令和六年度介護報酬改定における処遇改善加算の加算率の引上げ等により実現を図っていきたいと考えているものであり、御指摘の「令和六年二月〜五月の賃金引上げ分(介護職員処遇改善支援補助金)」は実施期間が異なるため、これには含まれないと考えている。

質問4

質問主意書の質問三について、質問への明確な回答がないので再度質問するが、「過去の賃上げ実績をベースとしつつ、今般の報酬改定による加算措置などの活用や賃上げ促進税制を組み合わせること」により、どうして「令和六年度に二・五%のベースアップへと確実につながる」と言えるのか。「確実に」と言うからには、何らかの試算があるものと推察するので、その計算根拠を示されたい。それとも数字の根拠はないということでよろしいか。

回答(質問2 及び質問4 について)

 お尋ねについて、令和六年度の二・五パーセントのベースアップについては、先の答弁書(令和六年三月十二日内閣衆質二一三第五一号。以下「前回答弁書」という。)五についてで述べたとおり、物価上昇率及び全産業平均の一人当たりの雇用報酬の伸びの見込みと整合的に求めているものであるが、御指摘のような「何らかの試算」に基づき数字を積み上げて算出したものではない。

質問5

また、質問主意書の質問三について、質問への明確な回答がないので再度質問するが、これまでの介護職員処遇改善加算分の全額を一時金で支払っていた配分方法を月額賃金に変更し、その額が変わらない場合も、その額は「二・五%のベースアップ」に含まれるという認識で相違ないか。

回答(質問5 について)

 お尋ねについて、令和六年度の二・五パーセントのベースアップについては、令和六年六月からの令和六年度介護報酬改定における処遇改善加算の加算率の引上げ等により実現を図っていきたいと考えているものであり、御指摘の「これまでの介護職員処遇改善加算分の全額を一時金で支払っていた配分方法を月額賃金に変更し、」支払われた額を含めずに実現を図っていきたいと考えている。

質問6

質問主意書の質問四について、質問への明確な回答がないので再度質問するが、二の回答にある「過去の賃上げ実績をベースとしつつ、今般の報酬改定による加算措置などの活用や賃上げ促進税制を組み合わせること」により、どうして「令和七年度の介護職員の二・〇%のベースアップへと確実につながる」と言えるのか。「確実に」と言うからには、何らかの試算があるものと推察するので、その計算根拠を示されたい。それとも数字の根拠はないということでよろしいか。

回答(質問6 及び質問7 について)

 お尋ねについて、令和七年度の二パーセントのベースアップについては、令和六年度の二・五パーセントのベースアップと併せて、政府として持続的で構造的な賃上げの実現に取り組む中で、これまでの賃上げ実績や将来の経済見通し等を総合的に勘案し、実現に取り組むこととしているものであり、御指摘のような何らかの「見込みと整合的に」求めているものではなく、また、「何らかの試算」に基づき数字を積み上げて算出したものではない。

質問7

質問主意書の質問五について、「令和六年度の二・五%のベースアップ」については、「令和六年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(令和六年一月二十六日閣議決定)で示された令和六年度の物価上昇率及び、「令和六年度の全産業平均の一人当たりの雇用報酬の伸び」の見込みである二・五%と整合的にベースアップを求める数値であるとの回答があった。では、「令和七年度の二・〇%のベースアップ」という数値は、どのような見込みと整合的にベースアップを求める数値なのか。

回答(質問6 及び質問7 について)

 お尋ねについて、令和七年度の二パーセントのベースアップについては、令和六年度の二・五パーセントのベースアップと併せて、政府として持続的で構造的な賃上げの実現に取り組む中で、これまでの賃上げ実績や将来の経済見通し等を総合的に勘案し、実現に取り組むこととしているものであり、御指摘のような何らかの「見込みと整合的に」求めているものではなく、また、「何らかの試算」に基づき数字を積み上げて算出したものではない。

質問8

質問主意書の質問五について、質問への明確な回答がないので再度質問するが、「総務省の公表した消費者物価指数では、生鮮食品を除く総合指数は前年比は三・一%の上昇(全国 二〇二三年(令和五年)平均(二〇二四年一月十九日公表))」であるが、「令和六年度の二・五%のベースアップ」では、この令和五年度の物価高三・一%分に対する対応は行わないということか。

回答(質問8 について)

 お尋ねについて、令和六年度の二・五パーセントのベースアップについては、まずは「物価高に負けない賃上げ」として、実現を図っていきたいと考えているものであり、必ずしも御指摘の「令和五年度の物価高三・一%分に対する対応は行わない」ことを意味するものではないと考えているが、いずれにせよ、前回答弁書五についてで述べたとおり、令和六年二月六日の衆議院予算委員会において、岸田内閣総理大臣が「今般の介護、障害福祉、医療分野の報酬改定では、政府経済見通しで、令和六年度の全産業平均の一人当たりの雇用報酬の伸びが二・五パーセントと物価上昇率と同水準で見込まれる中、こうした見込みと整合的にベースアップを求めているところであります。令和七年度分を前倒しして賃上げいただくことも可能な上、ベースアップ分以外の賃金の伸びもあり得ますが、まずは、物価高に負けない賃上げとして、令和六年度、二・五パーセントのベースアップ、これを実現してまいります」と述べているとおりである。