政治活動の自由に関する質問主意書
岸田総理は衆議院予算委員会で、「政治活動の自由と知る権利とのバランス、さらには、政治活動についても、政党等の政治活動の自由だけではなくして、企業等の政治に対する様々な関与の自由、こういった自由も含めて、バランスをめぐって議論が行われてきた」という主旨の答弁を何度かされています。
そこで以下のとおり、質問します。
質問1
岸田総理の答弁中、「政党等の政治活動の自由」は、どのような規定を根拠に、どのような自由を保障するものですか。
回答(質問1 及び質問2 について)
政治活動の自由は、憲法第二十一条第一項に規定する「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由」の保障に含まれるものと解されており、また、最高裁判所の判例において「会社は、自然人たる国民と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進しまたは反対するなどの政治的行為をなす自由を有する」及び「公共の福祉に反しないかぎり、会社といえども政治資金の寄附の自由を有する」とされている(最高裁判所昭和四十五年六月二十四日大法廷判決)。
質問2
岸田総理の答弁中、「企業等の政治に対する様々な関与の自由」は、どのような規定を根拠に、どのような自由を保障するものですか。
回答(質問1 及び質問2 について)
政治活動の自由は、憲法第二十一条第一項に規定する「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由」の保障に含まれるものと解されており、また、最高裁判所の判例において「会社は、自然人たる国民と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進しまたは反対するなどの政治的行為をなす自由を有する」及び「公共の福祉に反しないかぎり、会社といえども政治資金の寄附の自由を有する」とされている(最高裁判所昭和四十五年六月二十四日大法廷判決)。
質問3
「政党等の政治活動の自由」には、政党が寄附を受けた場合、その寄附者の名を明らかにしない自由も含まれますか。含まれるのであれば、どのような規定が根拠ですか。
回答(質問3 及び質問4 について)
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、お尋ねの前提となる御指摘の岸田内閣総理大臣の答弁は、政党が寄附を受けた場合には、政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第十二条第一項の規定により、同一の者からの寄附で、その金額の合計額が年間五万円を超えるものについては、その寄附をした者の氏名、住所及び職業(寄附をした者が団体である場合には、その名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名)等を当該政党の政治資金収支報告書に記載しなければならないこととされていることを踏まえたものである。
質問4
「企業等の政治に対する様々な関与の自由」には、企業等が特定の政党へ寄附をした場合にそれを秘密にすることも含まれますか。含まれるのであれば、どのような規定が根拠ですか。
回答(質問3 及び質問4 について)
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、お尋ねの前提となる御指摘の岸田内閣総理大臣の答弁は、政党が寄附を受けた場合には、政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第十二条第一項の規定により、同一の者からの寄附で、その金額の合計額が年間五万円を超えるものについては、その寄附をした者の氏名、住所及び職業(寄附をした者が団体である場合には、その名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名)等を当該政党の政治資金収支報告書に記載しなければならないこととされていることを踏まえたものである。
質問5
岸田総理の答弁中、「政治活動の自由と知る権利とのバランス(中略)をめぐって議論が行われてきた」とありますが、ここでいう議論は、いつ、どのような場で行われましたか。具体的な日付、会議等の名称、議論の内容を示して下さい。また、その議論の内容が「知る権利を重視すると政治活動の自由が損なわれる」という主旨であれば、「政治活動の自由」にどのような支障が生じるのか、具体的に示して下さい。
回答(質問5 について)
お尋ねについては、令和六年二月七日の衆議院予算委員会において、岸田内閣総理大臣が「政策活動費の使途公開などの制度論が議論される中にあって、政策活動費を含む政治資金の議論が今日までどんな議論を経てきたか、こういったことについて私の考えを申し上げたものであります。こういった趣旨で、今日までの議論を振り返って、そして、その中で、政治活動の自由と知る権利とのバランス、さらには、政治活動についても、政党等の政治活動の自由だけではなくして、企業等の政治に対する様々な関与の自由、こういった自由も含めて、バランスをめぐって議論が行われてきた、こういったことを申し上げた次第であります」と答弁したとおりである。