周庭氏や黎智英氏等に対する弾圧に関する質問主意書
質問
我が国で広く知られている香港特別行政区の民主活動家の周庭氏が、昨年十二月、留学先のカナダで事実上の亡命意思を表明したところ、香港警察は、「全力を挙げて逮捕する」と表明した。周氏は、集会を扇動したなどの罪で不当な実刑判決を受けて服役し、出所後は、中国大陸で愛国教育を受けさせられ、「祖国の偉大な発展を理解することができ警察に感謝します」との謝辞や、過去の抗議活動についての反省文を書かされた。周氏は、前述の判決とは別件で、令和二年八月、香港国家安全維持法違反容疑で逮捕されており、同罪で起訴される可能性があった。
中国共産党に批判的だった「蘋果日報」創業者の黎智英氏は、複数の裁判で実刑判決を受け、昨年十二月、香港国家安全維持法違反に問われた裁判の審理がはじまった。有罪となれば、終身刑を言い渡される可能性がある。黎氏の身柄拘束は、すでに一千日を超えている。
そもそも、香港国家安全維持法は、香港基本法、及び、法的拘束力を有して国際連合に登録されている英中共同宣言に基づく「一国二制度」に合致しない、不法なものである。我が国は、自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的価値を掲げる国として、香港国家安全維持法に基づく不当な弾圧を断固非難すべきと考えるが、政府の見解如何。
回答
御指摘の事案のような、御指摘の「香港国家安全維持法」施行後の香港の情勢をめぐる動向については、香港の繁栄を支えてきた「一国二制度」の根幹である言論の自由や報道の自由といった基本的な価値の尊重に対して深刻な疑念を抱かせるものであり、我が国として、重大な懸念を強めているところであり、引き続き、関係国とも連携しつつ適切に対応していく考えである。