一般国民の住宅購入を阻害する住宅価格高騰への対処に関する質問主意書
近年、マンション価格の高騰が続き、多くの一般国民の住宅購入に非常に大きな影響を与えるまでになっている。株式会社不動産経済研究所が公表している「首都圏/近畿圏 新築分譲マンション市場動向二〇二三年(年間のまとめ)」によると、東京二十三区の新築マンションの平均販売価格が一億円を超え一億千四百八十三万円となったとのことである。これは、対前年上昇率でみると三十九・四%と大幅な上昇となっていた。
また、日本放送協会(NHK)の報道によると、東京オリンピックの選手村を改修したマンション群で、主にファミリー向けに十七棟の分譲マンションで構成されている「晴海フラッグ」に関し、マンション全体の三割以上の部屋に住民票の登録がなく、居住実態が確認できなくなっているとのことである。これは、投資目的で多数の部屋を所有している法人の存在が同報道で明らかにされているから、居住目的ではなく、投資目的による所有が原因の一端であることは明らかである。
現状の二十三区内のマンション価格は、一般国民が買えるレベルにあるとは認められない。投資目的の住居用不動産取得を抑制し、マンション価格を一般国民が買えるレベルに保つことは、首都圏に住み、働く、多くの人々が継続的に健全な生活を送るために不可欠と考える。そのためには、投資目的のみでの不動産所有を抑制することは避けられない。
真に住むための住宅を求める国民が手にすることができる程度にマンション価格を維持することが必要であり、そのためには、住民票の登録がなく、実際に居住実態が確認できないマンション所有者に対して課税することができる、新たな税制の導入も検討すべき状況にあると考える。これにより、ある程度、投資目的のみでの不動産所有を抑制することが期待される。
そこで、次のとおり質問する。
質問1
政府として、現在の東京二十三区内のマンション価格について、どのように考えているか。
回答(質問1 について)
お尋ねの「現在の東京二十三区内のマンション」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないが、例えば、東京二十三区における新築分譲マンションの令和五年度の平均価格は、株式会社不動産経済研究所の調査によれば、一億四百六十四万円であり、前年度に比べて五・七パーセント上昇したとされており、お尋ねについては、令和六年四月四日の参議院国土交通委員会において、斉藤国土交通大臣が「近年の新築マンション価格は、都市中心部への堅調な住宅需要が見込まれる中で、価格の高い物件や大型物件が多く供給されたことや建築コスト等の高騰を背景として、平均価格が上昇傾向にあると認識しております。」と答弁したとおりである。
質問2
政府として、マンション価格の高騰を抑制し、一般国民が住宅を購入しやすくするための施策として新たに導入を検討しているものがあれば明らかにされたい。
回答(質問2 について)
現時点において、お尋ねの「マンション価格の高騰を抑制し、一般国民が住宅を購入しやすくするための施策」については検討していない。
質問3
マンションの住戸で、住民票の登録がなく、居住実態が確認できない場合に、当該マンション所有者に課税する新たな税制の導入について、政府の見解如何。
回答(質問3 について)
現時点において、お尋ねの「新たな税制の導入」については検討していない。