羽田空港における民間航空機と海上保安庁航空機の衝突事故を受けた対策検討委員会に関する質問主意書
本年一月二日に羽田空港で発生した民間旅客機と海上保安庁所属の航空機による衝突事故について、国土交通省ホームページに「羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会」の設置とその方針が示されている(https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk13_000045.html)。ホームページ内「資料2−1本検討委員会の設置趣旨及び今後の進め方」では、第一ステップが緊急対策、第二ステップが羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会、第三ステップが運輸安全委員会の調査報告を受けた抜本的対策と三段階のプロセスが示されている。
質問1
第一ステップの「緊急対策」について、本件事故に関連しうる原因を想定し、羽田空港または本邦各空港において既に実施されている対策を示されたい。
回答(質問1 について)
御指摘の「本件事故に関連しうる原因を想定」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、国土交通省が令和六年一月九日に取りまとめた「航空の安全・安心確保に向けた緊急対策」において、「管制機関及び航空事業者等への基本動作の徹底指示」、「管制官による監視体制の強化」、「パイロットによる外部監視の徹底、視覚支援」、「滑走路進入に関するルールの徹底」及び「関係者間のコミュニケーションの強化」といった対策を緊急的に講ずることとしており、これらの緊急対策については、同年二月二日の参議院本会議において、斉藤国土交通大臣が「既に羽田空港においては全ての緊急対策を実施済みであり、その他の空港においてもほぼ全ての緊急対策を実施しております」と答弁したとおりである。
質問2
第二ステップ「羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会」において、主な検討事項としてパイロットと管制官に対する注意喚起システムの強化の必要性、パイロットと管制官の交信の見直しの必要性などが示されている。本項において検討される対策の具体的な目的は「滑走路上における航空機等の衝突防止」に限定されるか。その他に想定される目的があれば示されたい。
回答(質問2 について)
お尋ねについては、御指摘のとおり「「滑走路上における航空機等の衝突防止」に限定」される。
質問3
第三ステップの「運輸安全委員会の調査報告を受けた抜本的対策」について、同時並行で議論される運輸安全委員会による調査及び報告と羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会の今後の関係性について示されたい。
回答(質問3 について)
羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会は御指摘の「第二ステップ」における検討のために設置したものであり、今後、御指摘の「第三ステップ」において、同委員会を存続させるか否かについては、現時点で決まっておらず、また、運輸安全委員会において事故調査報告書の作成に向けて調査中であるため、お尋ねの「今後の関係性」についてお答えすることは困難である。