ガザ地区における人道状況の改善と速やかな停戦の実現に関する質問主意書
昨年十月七日のハマス等によるイスラエルに対するテロ攻撃が発生し、ガザ地区での戦闘が始まった。戦闘が長期化する中で、子どもなどの非戦闘員が多く死傷するなどガザ地区は人道上、危機的な状況にある。日本政府においては、人質の解放と停戦が速やかに実現するよう、取り組むべきと考えるところ、以下、質問する。
質問1
二〇二四年五月十日に開催された国連総会において、パレスチナの国連加盟を支持する決議案を採択した。採決において、G7のうち、アメリカは反対、イギリス、イタリア、カナダ、ドイツは棄権、日本とフランスは賛成、と対応が分かれた。日本が賛成したのはなぜか。
回答(質問1 について)
お尋ねについては、例えば、令和六年五月十日の記者会見において、上川外務大臣が「我が国は、先般のパレスチナが国連加盟に係る安保理決議案につきまして、パレスチナが国連加盟に係る要件を満たしているとの認識の下、中東和平の実現に向けて和平交渉を通じた、国家の樹立を促進する等の観点を含め、総合的に判断をし賛成しました。」と述べているとおりである。
質問2
イスラエルとパレスチナの地における平和の実現には「二国家解決」が必要と考える。日本政府はイスラエルについては国家承認しているものの、パレスチナについては国家承認していない。日本を含めた多くの国が、イスラエルのみならず、パレスチナも国家承認することで、イスラエルとパレスチナの二つの国家が対等に交渉することができ、またイスラエルとパレスチナの両政府による和平交渉を後押しすることができると考える。実際、二〇二四年五月三十日までにはノルウェー、スペイン、アイルランドが、パレスチナを国家承認した。日本政府も、ノルウェー等に続いて、パレスチナの国家承認を検討することを提案するが、政府の見解は如何に。
回答(質問2 について)
我が国としては、イスラエル・パレスチナ間の紛争については、イスラエルと将来の独立したパレスチナ国家が平和かつ安全に共存する二国家解決を支持しており、累次の国際連合安全保障理事会の決議、これまでの当事者間の合意等に基づき、当事者間の交渉により解決されるべきとの立場であり、その上で、お尋ねの「パレスチナの国家承認」については、例えば、令和六年六月十一日の記者会見において、上川外務大臣が「和平プロセスをいかに進展させるかといったことをも踏まえまして、引き続き総合的に検討してまいりたいと考えております。」と述べているとおりである。