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更生に資する制度に関する質問主意書

会派 日本維新の会
議案提出者 山本剛正
公式リンク 第213回国会 / 質問 答弁

刑事施設出所・出院後に地域社会の理解・協力を得て、自立更生する為に、福祉施設あるいは自立準備ホームへ入所する際の、生活保護や障害福祉サービスの支給決定の迅速化やいわゆる全居住地特例の明確化が必要と考える。

したがって、次の項目について質問する。

質問1

刑事施設出所・出院後に福祉施設あるいは自立準備ホームへ入所する際の、生活保護や障害福祉サービスの支給決定の迅速化やいわゆる全居住地特例の明確化が必要と考えるが当局の認識をお伺いしたい。

回答(質問1 について)

 御指摘の「生活保護や障害福祉サービスの支給決定の迅速化」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、生活保護制度においては、御指摘の「刑事施設出所・出院後に福祉施設あるいは自立準備ホームへ入所する」者(以下「入所者」という。)を含め、保護を必要とする状態にある者について、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第二十四条において、「保護の実施機関は、保護の開始の申請があつたときは、保護の要否、種類、程度及び方法を決定し、申請者に対して書面をもつて、これを通知しなければならない」とされ、当該通知は原則として「十四日以内にしなければならない」とされており、また、障害福祉サービスにおいては、入所者を含め、当該サービスを必要とする者について、各市町村(特別区を含む。以下同じ。)において通常要すべき標準的な期間を定めるなどしながら、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号。以下「障害者総合支援法」という。)第二十二条第一項の規定等に基づき、適切に介護給付費等の支給決定が実施されているものと考えており、いずれの制度においても「生活保護や障害福祉サービスの支給決定」が速やかに行われるよう努めているものと承知している。

 また、御指摘の「生活保護や障害福祉サービスの支給決定」の「いわゆる全居住地特例の明確化」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、生活保護制度においては、入所者の保護の決定及び実施については、「生活保護法による保護の実施要領について」(昭和三十八年四月一日付け社発第二百四十六号厚生省社会局長通知)第二の十二(三)において、「帰住地がある場合であって、帰住先が出身世帯であるときは、その帰住地を居住地とし、そうでないときは、その帰住地を現在地とみな」して、当該居住地又は現在地を所管する福祉事務所を管理する都道府県知事及び市町村長(特別区の区長を含む。)が保護を行うこととしており、また、障害福祉サービスにおいては、入所者に係る障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの支給決定に当たり、厚生労働省及びこども家庭庁が定める「介護給付費等に係る支給決定事務等について」(令和五年四月三日付け厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課及びこども家庭庁支援局障害児支援課連名事務連絡別添)において、「入院・入所等する前に居住地を有した市町村・・・を実施主体・・・とする。なお、刑事施設又は少年院(以下「矯正施設」という。)収容前に居住地を有していないか又は明らかでない者については、矯正施設収容前におけるその者の所在地に当たる逮捕地の市町村を実施主体とする」としており、いずれもその取扱いを明確にしている。

質問2

高齢累犯者の更生支援について六十五歳以上でも障害福祉サービスが必要とされる場合に速やかに支給決定することも必要と考えるが当局の認識をお伺いしたい。

回答(質問2 について)

 お尋ねの「速やかに支給決定すること」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、障害者総合支援法第六条に規定する自立支援給付は、障害者総合支援法第七条の規定により介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の規定による介護給付等の給付であって自立支援給付に相当するものを受けることができるときには、介護給付等により受けることができる給付の限度において、行わないこととされ、同法に基づくサービスに自立支援給付に相当するものがない場合等には、障害者総合支援法の規定により、障害福祉サービスの支給決定が行われているところであり、御指摘の「高齢累犯者」についても、これらの規定に基づき、各市町村において適切に支給決定が実施されているものと考えており、障害福祉サービスの支給決定が行われる場合には、速やかに行われるよう努めているものと承知している。