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孤独死・孤立死に関する質問主意書

会派 立憲民主党
議案提出者 馬場雄基
公式リンク 第213回国会 / 質問 答弁

「誰にもみとられることなく死亡し、かつ、その遺体が一定期間の経過後に発見されるような死亡の態様(いわゆる「孤独死・孤立死」。以下「孤独死」という。)」である者については、近年増加していると言われており、現在のところ年間の孤独死者数の統計データは存在しないが、今年一月から三月の間に全国の警察が取り扱った独居の遺体は、暫定値で二万千七百十六人、その内六十五歳以上の高齢者は一万七千三十四人であることが初めて公表され、このデータから推計される高齢者の年間孤独死者数は、約六万八千人に上るとのことである。そこで、以下質問する。

質問1

孤独死の防止のためには、独居高齢者の現状把握が必要不可欠であるが、少なくない自治体では、独居高齢者の現状把握を民生委員の自発的な活動に頼っているため、それぞれの地域を担当する民生委員によって、現状把握の内容に濃淡があるのが現状である。政府は、独居高齢者の現状把握における民生委員の役割について、どのように認識しているか。

回答(質問1 について)

 御指摘の「現状把握」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、民生委員は、民生委員法(昭和二十三年法律第百九十八号)第十四条第一項の規定により、「住民の生活状態を必要に応じ適切に把握しておくこと」等がその職務とされているところ、市町村においては、地域の実情に応じて民生委員等と連携しながら、近隣住民からの情報収集や戸別訪問等を通じ、御指摘の「独居高齢者」も含め、地域の住民が支援を要する状態にあるかについて把握し、必要な支援を行う関係機関につなぐなどの取組が行われているところであり、民生委員は、当該状態の把握をする上でも重要な役割を担っているものと認識している。

質問2

地方自治体による独居高齢者の現状把握のレベルが、担当する民生委員の認識、資質、能力等によって大きく異なるのは問題である。今後も益々増加していくと思われる孤独死を一件でも減らすためには、独居高齢者の現状把握を名誉職である民生委員のボランティア活動に依存するのではなく、国が主体となって、現状把握システムを確立すべきと考えるが、政府の所見を問う。

回答(質問2 について)

 御指摘の「現状把握システム」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、御指摘の「独居高齢者」も含め、その孤独死を防止するためには、一についてで述べたとおり、市町村において、地域の住民が支援を要する状態にあるかについて把握し、必要な支援が行われることが重要であると考えているところ、市町村においては、総合相談支援事業(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第百十五条の四十六第一項の規定により地域包括支援センターが行う包括的支援事業のうち同法第百十五条の四十五第二項第一号に掲げるものをいう。)を通じた高齢者等への相談支援が行われているほか、一部の市町村においては、重層的支援体制整備事業(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第百六条の四第二項に規定する重層的支援体制整備事業をいう。)を通じ、地域の住民が支援を要する状態にあるか等を把握し、民生委員等の関係機関等との連携により、支援を要する住民とその他の住民や必要な支援を行う関係機関等とのつながりの構築に向けた支援等が行われていることから、政府としては、引き続き、これらの取組等を支援してまいりたい。