無人機関連予算の増額に関する質問主意書
質問
政府は、新たな戦略三文書において無人アセット防衛能力を防衛力の抜本的強化に当たって重視する能力として位置付けた。その後、岸田総理は、防衛力整備計画の下で、各種無人機や無人車両、無人潜水艇等の研究開発を進め、積極的に導入をしていく考えを示している(令和五年四月四日衆議院本会議)。
また、政府は、衆議院議員井坂信彦君提出攻撃型ドローンに関する質問に対する答弁書(内閣衆質二一一第六七号)において、自衛隊が所有しているミサイルや砲撃と比較した場合の「小型攻撃用UAV」の優位性について、一般論としつつも「比較的安価であること、操縦が比較的容易であること、自衛隊員の生命及び身体に対する危険や負担を局限できることといった利点がある」として、無人機の有用性を認めている。
それにもかかわらず、令和六年度当初予算においては、F−三五戦闘機などの装備品のFMS調達に多額の予算を計上している一方、無人機関連予算は、それに比べてはるかに少額の予算しか計上していない。
防衛力強化に当たっては、様々なアセットを組み合わせることが重要であることは承知しているが、我が国の防衛力を高めるためには、FMSによる高額な装備品の調達を抑え、無人機関連にさらなる予算を投じるべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。
回答
お尋ねの「FMSによる高額な装備品の調達を抑え、無人機関連にさらなる予算を投じるべき」の趣旨が明らかではなく、また、御指摘の「無人機関連予算」の意味するところが必ずしも明らかではないが、仮に「防衛力整備計画」(令和四年十二月十六日閣議決定)の「無人アセット防衛能力」に係る予算を指すのであれば、令和五年三月十七日の衆議院外務委員会において、小野田防衛大臣政務官(当時)が「無人アセットを駆使した新たな戦い方への対応というのは急務となっております。このため、防衛省・自衛隊として、無人アセット防衛能力を強化することにより、隊員に対する危険や負担を局限しつつ、万一抑止が破られた場合に、空中、水上、海中等における非対称な優勢の確保に資する能力を獲得する必要があると思っております。この観点から、今後五年間で計約一兆円の経費を計上し、陸海空自衛隊において、情報収集、警戒監視、攻撃といった様々な任務に効果的に活用し得る各種無人アセットを早期に整備し、二〇二七年度までに無人アセットの実践的な運用能力を強化することとしております。」と述べているとおり、政府としては、これに必要な予算を計上していく考えである。