FMS調達で未納入となっている装備品の必要性等に関する質問主意書
政府は、「衆議院議員原口一博君提出FMSに係る未納入・未精算問題に対応するための政府の取組に関する質問に対する答弁書」(内閣衆質二一二第四一号)において、FMS調達の未納入の具体的な原因として、「新たに製造を行う必要があるため通常よりも時間を要し、未納入になるということがあります」と答弁している。
そこで、次のとおり質問する。
質問1
新たに製造を行う必要があることから未納入となっている装備品の具体的な品目は何か。また、当該装備品について、調達予定時期からどの程度の遅延が見込まれるのか。
回答(質問1 について)
お尋ねの「未納入となっている装備品」については、例えば、令和五年四月二十五日の衆議院財務金融委員会において、井野防衛副大臣(当時)が「航空自衛隊、海上自衛隊で使用する航空機や艦船のための維持部品だったり整備部品などが主になっておりまして、未納入になっているものの大半は維持部品などであり」と答弁しているところ、その「具体的な品目」や「どの程度の遅延が見込まれるのか」については、米軍の在庫の状況を明らかにするおそれがあり、米国政府との関係もあることから、お答えを差し控えたい。
質問2
政府は、我が国として保有すべき防衛力の水準を示し、その水準を達成するための中長期的な計画として防衛力整備計画を定めている。政府は、同計画の策定に当たり、保有すべき装備品をFMSにより調達しようとする場合には、当該装備品の調達の遅延を想定し、それを踏まえて同計画を策定しているのか。
回答(質問2 及び質問3 について)
「防衛力整備計画」(令和四年十二月十六日閣議決定)は、我が国が保有すべき防衛力の水準を示し、これを達成するための内容等を記載しているものであるが、個々の装備品の調達の詳細についてあらかじめ決定しているものではない。その上で、お尋ねの「調達の遅延」による影響について一概にお答えすることは困難であるが、米国の有償援助による調達(以下「FMS調達」という。)について課題が生じた場合には、米国政府との交渉・協議等を通じて適切に対応しつつ、防衛力の整備を行っていくこととしている。
質問3
二において、調達の遅延を想定せずに同計画を策定しているとする場合、当該装備品の調達の遅延は、必要な防衛力の整備に支障を来す事態を招くことになるのではないか。
回答(質問2 及び質問3 について)
「防衛力整備計画」(令和四年十二月十六日閣議決定)は、我が国が保有すべき防衛力の水準を示し、これを達成するための内容等を記載しているものであるが、個々の装備品の調達の詳細についてあらかじめ決定しているものではない。その上で、お尋ねの「調達の遅延」による影響について一概にお答えすることは困難であるが、米国の有償援助による調達(以下「FMS調達」という。)について課題が生じた場合には、米国政府との交渉・協議等を通じて適切に対応しつつ、防衛力の整備を行っていくこととしている。
質問4
FMS調達については、一般的な輸入調達では調達することのできない機密性の高い装備品や、米国でしか製造できない能力の高い装備品の調達が可能とされているが、FMSによる装備品の調達が遅延した場合、政府は、その代替策を講じているのか。過去に代替策を講じたことがあるのであれば、その具体的な事例を示されたい。
回答(質問4 及び質問5 について)
御指摘の「代替策」及び「代替措置」の意味するところが必ずしも明らかではないが、二及び三についてでお答えしたとおり、FMS調達について課題が生じた場合には、米国政府との交渉・協議等を通じて適切に対応しつつ、我が国として必要となる防衛装備品を調達していくこととしている。
質問5
四において、「講じている」とする場合、代替措置が可能であるにもかかわらず、当該装備品をFMSにより調達することとした理由は何か。
回答(質問4 及び質問5 について)
御指摘の「代替策」及び「代替措置」の意味するところが必ずしも明らかではないが、二及び三についてでお答えしたとおり、FMS調達について課題が生じた場合には、米国政府との交渉・協議等を通じて適切に対応しつつ、我が国として必要となる防衛装備品を調達していくこととしている。