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アマチュア局の通信に関する無線局運用規則改正に関する質問主意書

会派 日本維新の会
議案提出者 鈴木敦
公式リンク 第213回国会 / 質問 答弁

二〇二二年十一月に公表されたアマチュア無線に関する諸制度の改定の中でパブリックコメントが実施され、公表された総務省令、総務省告示及び総務省訓令案はパブリックコメントに寄せられた意見をもとに若干の修正が行われ、二〇二三年三月二十二日に公布された。この際、「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用等に係る制度改正」という題目が掲げられており、自身のアマチュア局の無線設備同士の通信(以下、「自局内通信」という)が可能となるようにすべき旨の意見があったと承知している。

アマチュア局の目的であるアマチュア業務は、「金銭上の利益のためでなく、もつぱら個人的な無線技術の興味によつて行う自己訓練、通信及び技術的研究その他総務大臣が別に告示する業務を行う無線通信業務」(電波法施行規則第三条第一項第十五号)と定義されており、無線設備の設置について所定の手続を行った上で免許人等による技術的研究を行うことは目的に適ったことと考えられる。また制度上もアマチュア局は他種無線局と異なり、ひとつの無線局に複数の無線設備を設置することが制度上可能となっているほか、「技術的研究」には、自身のアマチュア局の無線設備を二以上用いて免許人等自身のみによる通信実験を行うことも含まれるものと考えられる。これらを踏まえ、以下質問する。

質問1

総務省は、パブリックコメントの回答に対し、「無線局運用規則に基づき、自局内通信は認められない。同一免許人の異なるアマチュア局同士でも認められない。」旨の回答をしており、自局内通信を認めない法的根拠は無線局運用規則にあると説明している。現行の無線局運用規則の規定については、アマチュア局の運用に関してもこの無線局運用規則が当然適用され、更に第八章にはアマチュア局の運用に特化した規定もあるが、基本的には他業務局と同様に第二章の一般通信方法が適用され、更に第二百六十一条により、第四章(固定業務、陸上移動業務及び携帯移動業務の無線局、簡易無線局並びに非常局の運用)の規定も準用される。但し、これらの条項は従来からある無線電話及び無線電信による通信方法が前提で、データ通信その他の方式の通信(テレビジョン、ファクシミリ等)に必ずしも適しておらず、同規則にはこのような状況に対応して、第十八条の二で「無線局の通信方法については、この規則の規定によることが著しく困難であるか又は不合理である場合は、別に告示する方法によることができる」と、例外を定めることが可能となっている。昭和三十七年五月十七日には郵政省告示三百六十一号が発出され、無線局運用規則第十八条の二の規定による無線局が同規則の規定によることが困難であるか不合理である場合の当該無線局の通信方法の特例が示されており、告示の第一条で「当該設備に適合した方法により呼出し若しくは応答又は通報その他の事項の送信を行うことができる」との規定がある他、第九条で「前各項に定めるほか、特殊な通信方法を必要とする無線局にあつては、総務大臣が別に承認した方法により、通信を行うことができる」と定められている。以上から、データ通信その他の方式の通信による自局内通信は、無線局運用規則の改定、総務省告示の改定又は新設によって可能であると考えるが、見解を伺う。

回答(質問1 及び質問2 について)

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、仮に御指摘の「自局内通信」及び「自局間通信」を認めるべきではないかとのお尋ねであれば、無線局免許手続規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十五号)第二条第一項において「無線局の免許の申請は、・・・送信設備の設置場所(移動する無線局のうち、・・・船舶局、遭難自動通報局・・・、航空機局、無線航行移動局、人工衛星局、船舶地球局及び航空機地球局以外のものについては送信装置とする。)ごとに行わなければならない」こととしている一方、電波法施行規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十四号)第四条第一項第二十四号に規定するアマチュア局は、当該アマチュア局の免許を受けた者と当該アマチュア局の無線設備を操作する者とが一体となった無線局であることから、無線局免許手続規則第二条第九項において「移動する無線局のうち、・・・アマチュア局・・・については、・・・二以上の送信装置を含めて単一の無線局として申請することができる」こととしているものであり、御指摘の「自局内通信」及び「自局間通信」は、電波の監督管理において、電波の発射源の把握や電波の適正な利用の確保の観点から支障があることから、認めることは困難である。

質問2

電波法第五十八条では暗語による通信、すなわち暗号化通信を禁止しているほか、無線設備規則第十八条第二項では通信に秘匿性を与える機能を有してはならない旨の規定があり、データ通信等に関しては、無線局の手続の際に工事設計書に諸元を記載する必要があるなど、諸元の公表を求める運用が行われている。以上のことから、これまで自局間通信が許可されなかったのは電波監理上の必要によるものと考えられるため、どのような方式の通信かにかかわらず自局の識別信号の送出を義務付けることで懸念を払しょくし、自局間通信を可能とすることができると考えられる。以上のことから、アマチュア局の通信については、当該設備に適合した方法により呼出し若しくは応答又は通報その他の事項の送信を行うことができるようにすべきと考えるが、見解を伺う。

回答(質問1 及び質問2 について)

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、仮に御指摘の「自局内通信」及び「自局間通信」を認めるべきではないかとのお尋ねであれば、無線局免許手続規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十五号)第二条第一項において「無線局の免許の申請は、・・・送信設備の設置場所(移動する無線局のうち、・・・船舶局、遭難自動通報局・・・、航空機局、無線航行移動局、人工衛星局、船舶地球局及び航空機地球局以外のものについては送信装置とする。)ごとに行わなければならない」こととしている一方、電波法施行規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十四号)第四条第一項第二十四号に規定するアマチュア局は、当該アマチュア局の免許を受けた者と当該アマチュア局の無線設備を操作する者とが一体となった無線局であることから、無線局免許手続規則第二条第九項において「移動する無線局のうち、・・・アマチュア局・・・については、・・・二以上の送信装置を含めて単一の無線局として申請することができる」こととしているものであり、御指摘の「自局内通信」及び「自局間通信」は、電波の監督管理において、電波の発射源の把握や電波の適正な利用の確保の観点から支障があることから、認めることは困難である。