保育における公定価格の地域区分に関する質問主意書
保育士の人材確保と離職の防止を図るために、保育士の処遇改善を行うことは重要であるが、保育士給与の原資となる公定価格は、適切な水準に設定されてはじめて機能するものと考える。そこでお尋ねする。
質問1
保育士給与の原資となる公定価格は適切な水準に設定されていると考えているか。政府の見解を問う。
回答(質問1 について)
御指摘の「適切な水準」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、保育に係る御指摘の「公定価格」については、「子ども・子育て支援新制度施行後五年の見直しに係る対応方針について」(令和元年十二月十日子ども・子育て会議)において、「公定価格の設定方法については、対象となる費目を積み上げて金額を設定する「積み上げ方式」を維持すべきである。公定価格の見直しを行う際には、公定価格の算定経費と実際の運営に要した費用が乖離しないよう、経営実態調査の結果を考慮し、人件費、管理費及び事業費の水準の見直しを図ることを基本とすべきである。」とされたことを踏まえ、これに基づき、毎年度、見直しを図ってきたところであり、今年度新たに実施する予定の「経営実態調査」の結果も考慮しながら、引き続き、適切に対応してまいりたい。
質問2
隣接する市区町村の間で公定価格に大きな差が生じないよう、地域区分は公務員の地域手当の区分だけでなく他の客観的指標も考慮するなど、地域の実情を十分に反映させるべきと考えるが、政府の見解を問う。
回答(質問2 について)
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、保育に係る御指摘の「公定価格」の「地域区分」については、御指摘の「公務員の地域手当の区分」と同様に、地域の実情が反映された給与水準となるよう、これに準拠して設定しているところである。なお、「公務員の地域手当の区分」の設定に当たっては、当該地域における民間の賃金水準を考慮しているところである。
質問3
介護及び障害福祉サービス報酬については、人材流出のリスクや公平性を欠くなどの総合的な検討がなされ、令和六年度から地域区分の特例として、「五級地以上の級地差がある地域と隣接している場合について、四級地差になるまでの範囲で引上げ又は引下げを認める」ことが追加された。
保育における公定価格の地域区分についても、人材流出のリスクが高く公平性に欠くことから、同様の特例を早急に導入することを検討できないか。
回答(質問3 について)
御指摘の「介護及び障害福祉サービス報酬」と「同様の特例」の「導入」については、必要な財源の確保と併せて、こども家庭審議会の意見も聴きながら、検討することとしている。