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国会議員の台湾新総統就任式出席に対する中国外交団の言動に関する質問主意書

会派 立憲民主党
議案提出者 大西健介
公式リンク 第213回国会 / 質問 答弁

去る五月二十日、台湾の頼清徳総統の就任式への日本の国会議員の出席を巡り、中国の大使及び大阪総領事の言動に関し、以下につき政府の見解を明らかにされたい。

質問1

総統就任式当日、中国大使館で開かれた座談会において、呉江浩駐日中国大使は、就任式に日本の国会議員が参加したことを「台湾の独立勢力に加担」したと批判した上、「日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と述べた。

これに対して、五月三十一日の衆議院外務委員会において、外務省は、レベルを上げて、岡野外務事務次官が呉大使に直接抗議したと答弁した。一方で、電話で抗議したのか、直接会って抗議したのかについては、外交上のやり取りであることを理由に明らかにしなかった。

しかし、過去にも外務事務次官が大使を呼び出し、直接抗議するということは何度も行われており、その時には、大使を呼び出して直接抗議したことを明らかにしており、電話だったのか、直接会って抗議したのかを明らかにすべきである。また、呉大使の発言は、極めて不適切であり、厳重な抗議をすべきものであって、電話で済ませるべきではなく、呼び出して抗議すべきと考えるが、如何。

回答(質問1 について)

 今般の岡野外務事務次官から呉駐日中国大使に対する抗議については、電話で行ったものであり、また、御指摘の「発言」に係る我が国の今後の対応については、お尋ねの点も含め、現時点で予断をもってお答えすることは差し控えたい。

質問2

中国の薛剣駐大阪総領事は、五月二十四日付で総統就任式に出席した日華議員懇談会の複数の与野党議員の選挙区事務所に「台湾といかなる接触と往来もせず、中国人民の「台湾独立」に反対し、国家統一に努める正義の事業を理解・支持し、実際の行動を以て中日関係の大局を守っていただくよう強く希望しております」との書簡を郵送した。

1 政府は、この書簡の内容及びどの議員の事務所に書簡が送付されたか把握しているか。

2 台湾と非政府間の実務関係を維持することは、日中共同声明後も従来より認められてきたことであり、政府の職に就いていない国会議員が総統就任式に出席することは何ら問題ないと考えるが、如何。

3 国民の代表である国会議員の活動に圧力をかけるかのような行為は不適切であり、抗議を行うべきと考えるが、如何。

回答(質問2 の1について)

 政府としては、御指摘の「書簡の内容」については把握している。また、「どの議員の事務所に書簡が送付されたか」については、「書簡が送付された」全ての宛先であるか否かは明らかではないが、御指摘の「総統就任式」に出席した国会議員の一部の「議員の事務所に書簡が送付された」ことについては把握している。

回答(質問2 の2について)

 台湾との関係に関する我が国の基本的立場は、昭和四十七年の日中共同声明第三項を踏まえ、非政府間の実務関係として維持するというものであり、今般、御指摘のように「国会議員が総統就任式に出席」したことは、問題があるとは考えていない。

回答(質問2 の3について)

 お尋ねについては、御指摘の「書簡」の内容は我が国として受け入れられず、中国側に対し、当該書簡の内容に関する我が国の立場を明確に申し入れたところである。