二〇二五年大阪万博のパビリオン数及び建設状況に関する質問主意書
令和七年に大阪市で開催予定の二〇二五年日本国際博覧会(以下、「二〇二五年大阪万博」)に関しては、参加国・地域の減少と工期の遅れが指摘されている。本年四月十三日付の朝日新聞報道によると、敷地渡し方式とされるタイプAのパビリオンは昨年八月時点の五十六施設から四十八施設に減少し、また、四十八施設のうち、約三割にあたる十六施設の建設事業者がいまだ決まっていないとある。
二〇二五年大阪万博は、国も多額の費用を負担することになっており、その運営に関しては国民から厳しい目が向けられているところ、以下、政府の把握するところを答えられたい。
質問1
海外パビリオンのタイプには敷地渡し方式のタイプA、建物渡し方式のタイプB、共同館方式のタイプC及び万博協会がプレハブ工法で建設し、建物に内外装だけを施させるタイプXの四種類があると承知しているが、現時点で予定されている施設数をタイプ別に明らかにされたい。また、右の施設のうち、第一回提出書類(基本設計書)が未提出の数、第二回提出書類(実施設計書)が未提出の数及び実施設計書を提出済みであるが建設事業者が未決定の数についてそれぞれタイプ別に明らかにされたい。
回答(質問1 について)
お尋ねの「施設数」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「海外パビリオン」の出展を行うそれぞれの国が、原則として「タイプA」については建物、内外装及び展示の、「タイプB」及び「タイプX」については内外装及び展示の、「タイプC」については展示の整備等をするものであるところ、令和六年六月十日時点における?出展を予定している国の数及び?展示のための区画の数を御指摘の「タイプ別」にお示しすると、以下のとおりである。
「タイプA」 ?五十三 ?四十八
「タイプB」又は「タイプC」 ?百五 ?百四
「タイプX」 ?三 ?三
なお、「タイプB」又は「タイプC」の出展を予定している国の数及び展示のための区画の数の内訳については、現在、これらの出展の意向を表明をしている国のうち、公益社団法人二〇二五年日本国際博覧会協会との間で出展に係る契約を締結するに至っていない国が大半であるため、当該内訳を確定的にお答えすることは差し控えたい。
また、御指摘の「第一回提出書類(基本設計書)」及び「第二回提出書類(実施設計書)」については、現在、「タイプA」又は「タイプX」の出展を行う国に提出が求められているものであるところ、同日時点で、お尋ねの?「第一回提出書類(基本設計書)が未提出の数」、?「第二回提出書類(実施設計書)が未提出の数」及び?「実施設計書を提出済みであるが建設事業者が未決定の数」をお示しすると、以下のとおりである。
「タイプA」 ?五 ?十七 ?三
「タイプX」 ?三 ?三 ?該当なし
質問2
本年二月二十二日、宮本洋一日本建設業連合会会長が、「リングがつながった際には、内側への重機や資材の搬入に制約が生じると聞いている」と発言されたが、木造の大屋根であるリングの木組みがつながるのは何月を予定しているのか。また、木組みがつながってからはどのように重機や資材の搬入を行う予定なのか計画を明らかにされたい。
回答(質問2 について)
お尋ねの「木造の大屋根であるリングの木組みがつながるのは何月を予定しているのか」については、現在、令和六年九月下旬を目処として建設工事が進められており、また、御指摘の「リング」がつながった後においても御指摘の各「パビリオン」の工事のための空間が確保できるよう、大型の重機や工事車両が「リング」の内外を通行できる空間を常時五箇所程度は設けることが計画されているものと承知している。
質問3
二〇二五年大阪万博におけるパビリオン参加国・地域の減少と工期の遅れについて、政府の見解を答えられたい。
回答(質問3 について)
お尋ねについては、例えば、令和六年四月十五日の参議院決算委員会において、自見国際博覧会担当大臣が「全体のマスタープランという会場全体の工事の工程表がございますが、そこに各国のパビリオンの建設スケジュールを組み込んで、現在、工程の管理を行っているところでございます。また、決まっていない、建設事業者が決まっていない参加国については、国ごとにマンツーマンで個別サポートを行っておりまして、場合によってはタイプAにこだわらずタイプCに移行していただくことも提案をしているところでございます。こうした取組を通じまして、多くの国々、全ての国々が万博開幕までにパビリオンの準備ができるように全力を尽くしてまいりたい」と答弁しているとおりである。