大阪万博での教育旅行の実施内容に関する質問主意書
近畿地方の府県においては、学校教育の一環として児童生徒を大阪万博に参加させる動きがある。例えば、大阪府では、小学校、中学校、高等学校等に通う児童生徒を学校教育の一環として学校単位で万博に無料で招待する二〇二五年日本国際博覧会児童生徒招待事業を計画している。
また、日本国際博覧会協会は、「世界各国から英知が集結する大阪・関西万博は子どもたちの興味・関心や可能性をのばすのに効果的です。二〇二五年の教育旅行(修学旅行・校外学習)ではぜひ大阪・関西万博へお越しください。」とプロモーションを行っている。
一方で、教育旅行の実施にあたっては、懸念の声があがっているところ、以下、政府の見解または把握するところを答えられたい。
質問1
教育旅行の実施に先立って行うべき学校教員による下見は、いつできるのか。
回答(質問1 について)
お尋ねについては、令和七年に開催される国際博覧会(以下「博覧会」という。)の準備及び運営を行う公益社団法人二〇二五年日本国際博覧会協会(以下「博覧会協会」という。)において、現在、博覧会の会場の工事の進捗状況を踏まえながら、御指摘の「下見」が開始できる適切な時期についての検討を行っているものと承知している。
質問2
大阪メトロ中央線は、通勤客と一般来場者で大混雑していると予想されるところ、教育旅行で大阪メトロ中央線を利用することは困難と考えるが、如何に。
回答(質問2 及び質問3 について)
御指摘の「大阪メトロ中央線」については、大阪市高速電気軌道株式会社において、博覧会の開催期間中は増便して運行することで、一時間当たり二万人以上の博覧会の来場者の輸送に十分な輸送能力を確保する予定であると承知しており、あわせて、博覧会協会において、大阪府等の七府県の教育委員会に対し、輸送力に比較的余裕があると見込まれる時期の日帰りの旅行の実施を呼び掛けているものと承知しており、政府としては、御指摘のような「教育旅行で大阪メトロ中央線を利用すること」が「困難」になるような事態は想定していない。
なお、御指摘の「教育旅行」における博覧会の会場への交通手段については、当該旅行を実施する各学校の判断に委ねられているものであり、どの程度の学校が貸切バスによる来場を希望するのか明らかでなく、また、仮に貸切バスが確保できない場合には、他の交通手段を検討することになるものと認識しているが、いずれにせよ、博覧会協会において、児童生徒のより安全で円滑な輸送を確保するために、交通事業者とも、連携しつつ、様々な交通手段や経路の利用を含めた協議を行っているものと承知している。
質問3
大阪万博へのアクセスで大阪メトロ中央線の利用が困難であると判断すれば貸切りバスを利用することが考えられるが、バス運転者の不足が社会問題化している中で、大阪万博への教育旅行のための貸切りバスは確保できるのか。
回答(質問2 及び質問3 について)
御指摘の「大阪メトロ中央線」については、大阪市高速電気軌道株式会社において、博覧会の開催期間中は増便して運行することで、一時間当たり二万人以上の博覧会の来場者の輸送に十分な輸送能力を確保する予定であると承知しており、あわせて、博覧会協会において、大阪府等の七府県の教育委員会に対し、輸送力に比較的余裕があると見込まれる時期の日帰りの旅行の実施を呼び掛けているものと承知しており、政府としては、御指摘のような「教育旅行で大阪メトロ中央線を利用すること」が「困難」になるような事態は想定していない。
なお、御指摘の「教育旅行」における博覧会の会場への交通手段については、当該旅行を実施する各学校の判断に委ねられているものであり、どの程度の学校が貸切バスによる来場を希望するのか明らかでなく、また、仮に貸切バスが確保できない場合には、他の交通手段を検討することになるものと認識しているが、いずれにせよ、博覧会協会において、児童生徒のより安全で円滑な輸送を確保するために、交通事業者とも、連携しつつ、様々な交通手段や経路の利用を含めた協議を行っているものと承知している。
質問4
夏の蒸し暑い時期に、バスの乗降場所から万博会場の入場門まで片道一キロメートル以上の徒歩で児童生徒は疲労困憊でパビリオン等での学習は困難になると懸念するが、如何に。
回答(質問4 について)
御指摘の「教育旅行」のための貸切バスを含め、博覧会の会場への交通手段として利用されるバスの夢洲における乗降場については、現在、博覧会協会において、博覧会協会が設置した、学識経験者、大阪府、大阪市、交通事業者等の関係者から構成される「二〇二五年日本国際博覧会来場者輸送対策協議会」における、博覧会の来場者の安全かつ円滑な輸送を確保するという観点からの議論を踏まえて、調整を行っているものと承知している。
質問5
計画通りの来場者数であれば全てのパビリオンは混雑すると予想するが、児童生徒もパビリオンの入場のために行列に長時間並ぶのか。
回答(質問5 について)
児童生徒を含む博覧会の来場者の目的や関心事項は個人によって様々であり、博覧会の観覧の経路や観覧に要する時間も個人によって異なるものであることから、「児童生徒もパビリオンの入場のために行列に長時間並ぶのか」とのお尋ねに一概にお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、「児童生徒もパビリオンの入場のために行列に長時間並ぶ」ような状況が極力生じないよう取組が進められることが重要であると考えており、例えば、現在、博覧会協会において、当該来場者が限られた時間の中で効率的に観覧ができるよう事前に来場日時を指定し、展示館やイベント等を予約することができるシステムを導入することを予定しているものと承知している。
質問6
児童生徒は昼食をどこで取るのか。
回答(質問6 について)
お尋ねについては、現在、博覧会協会において、児童生徒を含め、団体での博覧会の来場者を対象とした食事の取れる場所を博覧会の会場内に設けることを予定しているものと承知している。
質問7
二〇二四年三月にメタンガスの爆発事故が起き、今なお夢洲各地でメタンガスが発生しているが、児童生徒の安全は確保できているのか。
回答(質問7 について)
児童生徒を含めた博覧会の来場者の安全確保については、博覧会協会において、現在、令和六年三月に発生した御指摘の「事故」を踏まえ、安全対策に関する知見を有する専門家の意見を踏まえながら具体的な安全対策についての検討を行っているものと承知している。
質問8
熱中症など急病が発生した場合には、救急車はすぐに到着するのか。また、救急車は患者をどこに搬送するのか。
回答(質問8 について)
現在、博覧会協会において、大阪市消防局と連携し、博覧会の会場内に博覧会の開催期間中に救急車を配備することなどを計画しており、また、熱中症等の患者が発生した場合に必要に応じて速やかに当該会場周辺の病院等に搬送できるよう必要な検討を行っているものと承知している。
質問9
地震発生時に夢咲トンネルおよび夢舞大橋が通行止めとなり、かつ大阪メトロ中央線が運休となった場合、どのように避難すればよいのか。教育旅行で大阪万博に来場の児童生徒の避難誘導は学校の責任で行うものなのか。
回答(質問9 について)
前段のお尋ねについては、現在、博覧会協会において、御指摘のような場合も想定し、博覧会の会場内における避難及び当該会場外への船舶等を利用した避難に関する必要な検討を行っており、さらに、博覧会の来場者及び関係者が一定期間にわたり当該会場内に留まる場合に必要となる物資の備蓄に関しても必要な検討を行っているものと承知している。
後段のお尋ねについては、御指摘の「責任」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、前段でお答えしたとおり、現在、博覧会協会において、当該会場内における避難及び当該会場外への船舶等を利用した避難に関する必要な検討を行っており、今後、その結果に関する必要な情報の発信に努める予定であると承知しており、御指摘の「教育旅行で大阪万博に来場の児童生徒」の「避難誘導」についても、当該情報発信の内容を踏まえて行われることになると承知している。