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大阪万博への学校単位での参加に関する質問主意書

会派 立憲民主党
議案提出者 櫻井周
公式リンク 第213回国会 / 質問 答弁

近畿地方の府県においては、学校教育の一環として児童生徒を大阪万博に参加させる動きがある。例えば、大阪府では、小学校、中学校、高等学校等に通う児童生徒を学校教育の一環として学校単位で万博に無料で招待する二〇二五年日本国際博覧会児童生徒招待事業を計画している。

また、日本国際博覧会協会は、「世界各国から英知が集結する大阪・関西万博は子どもたちの興味・関心や可能性をのばすのに効果的です。二〇二五年の教育旅行(修学旅行・校外学習)ではぜひ大阪・関西万博へお越しください。」とプロモーションを行っている。

一方で、大阪府交野市の山本景市長は、?学年の変わり目や暑い時期を除くと五月または六月に学校関係者の来場者が集中すること、?大阪府が準備している貸切りバスが十台程度で、交野市に回ってくる可能性が極めて低いこと、?貸切りバスの見積もりが一台あたり十五万円で児童生徒一人あたり五千円になること、?電車でのアクセスは混雑が想定される中で学年単位で利用するのは危険であること、?パビリオンは学校単位で一つくらいしか行けないので子どもたちが満足できるか不明であること、?メタンガスの爆発事故が発生し安全に懸念があること、?学校単位ではなく家族と訪れたほうがいいと考えられること、などの理由をあげて、大阪万博に学校単位で行かなくてよいと述べた。

また、大阪府堺市議会の二〇二四年度予算審議において、夢洲の防災計画において避難計画が未だに作成されておらず、教員が下見をしようにも児童生徒の安全確保の確認ができないという問題が指摘されている。

質問1

政府としては大阪万博に学校単位で参加することの諸問題は全て解消されているとの見解か。

回答(質問1 について)

 お尋ねの「学校単位で参加することの諸問題」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、お尋ねの「学校単位」での「参加」も含め、一人でも多くの児童生徒に安心して令和七年に開催される国際博覧会(以下「博覧会」という。)に来場していただけるよう、政府としても、会場の運営等における安全の確保に万全を期するとともに、必要な情報発信に努めてまいりたい。

質問2

教育旅行で大阪万博に参加したときに、事故などが発生した場合には、誰が責任を負うことになるか。教育旅行を実施した学校か、それとも児童生徒招待事業等を計画した知事・市町村長か、それとも校外学習・修学旅行での大阪万博の参加をプロモーションした国際博覧会協会か、それ以外の誰かか。

回答(質問2 について)

 お尋ねの「責任」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、また、御指摘の「事故など」については、その発生状況等が様々であることから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。

質問3

マスコミ各社の世論調査によれば大阪万博への関心度は「関心ある」が約三割で「関心がない」が六〜七割と機運が高まっていないところ、来場者目標の二千八百二十万人を達成するために児童生徒を動員しようとしているのか。政府の見解如何に。

回答(質問3 について)

 お尋ねの「動員」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、修学旅行等による来場も含め、一人でも多くの児童生徒に博覧会に来場していただきたいと考えており、各学校における修学旅行等の行き先等を決定するための検討に資するよう、修学旅行等における博覧会の活用について、学校関係者に対する情報発信を行っているところである。