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定額減税額の給与等の支払明細書への記載等に関する質問主意書

会派 立憲民主党
議案提出者 神津たけし
公式リンク 第213回国会 / 質問 答弁

本年六月から実施される定額減税については、給与等の支払者が定額減税の実施による給与特別控除額(以下「定額減税額」という。)を給与等の支払明細書(以下「支払明細書」という。)に記載した上で、当該支払明細書を、支払いを受ける者に交付することが所得税法施行規則(昭和四十年大蔵省令第十一号)の改正(令和六年財務省令第十四号)により義務付けられることとされている。

これに関連して、次の事項について質問する。

質問1

支払明細書については、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二百三十一条において、給与等その他必要な事項を記載した支払明細書を、支払を受ける者に交付しなければならないと定められており、現行の所得税法施行規則第百条において、支払明細書に記載が必要な事項として、給与等の金額や、徴収又は還付された所得税額が挙げられている。一方、支払明細書の「不交付」や「虚偽記載」については同法第二百四十二条において罰則が規定されている。そこで、同施行規則第百条に掲げる記載事項を支払明細書に記載しなかったことにより、支払明細書の「不交付」もしくは「虚偽記載」に該当するとして罰則が科された例はあるのか、明らかにされたい。

回答(質問1 について)

 お尋ねの「同施行規則第百条に掲げる記載事項を支払明細書に記載しなかったことにより、支払明細書の「不交付」もしくは「虚偽記載」に該当する」の意味するところが必ずしも明らかではないが、所得税法施行規則(昭和四十年大蔵省令第十一号)第百条第一項各号に掲げる記載事項を所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二百三十一条第一項に規定する支払明細書(以下「支払明細書」という。)に記載しなかったことにより同法第二百四十二条第七号に掲げる者に該当するとして処罰された例は、把握していない。

質問2

今般の所得税法施行規則の改正により、支払明細書に記載が必要な事項に定額減税額が追加されたが、当該定額減税額を記載しなかった場合に、支払明細書の「不交付」もしくは「虚偽記載」に該当し、罰則が科される可能性はないのか、政府の見解を示されたい。

回答(質問2 について)

 お尋ねの「当該定額減税額を記載しなかった場合に、支払明細書の「不交付」もしくは「虚偽記載」に該当し」の意味するところが必ずしも明らかではないが、所得税法第二百三十一条第一項の給与等の支払をする者が、所得税法施行規則第百条第一項第四号に掲げる事項を記載せずに当該支払を受ける者に支払明細書を交付した場合に、同法第二百四十二条第七号に掲げる者に該当するとして処罰がなされるかどうかについては、個別具体的な事情により、個別の事案ごとに判断されるべき事柄である。

質問3

岸田内閣総理大臣は、健康保険料に上乗せして徴収される予定の子ども・子育て支援納付金に充てるための額についても記載を義務付けるのかとの趣旨の辻元清美参議院議員の質問(令和六年五月二十二日、参議院予算委員会)に対し、健康保険料と併せて徴収する際に「明細等が書かれることになる」が、法律上、義務的に明記する事項と定められているものではないと答弁する一方、「制度導入までに詳細について確定する」とも述べている。

健康保険料については、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第百六十七条において、事業主が保険料を源泉控除したときは、控除に関する計算書を作成し、控除額を被保険者に通知しなければならない旨が規定されている。控除額の内訳として、子ども・子育て支援納付金に充てるための被保険者からの徴収額について、控除に関する計算書への記載その他の方法での通知を義務付けることはあるのか、政府の見解を示されたい。

回答(質問3 について)

 事業主が、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第百五十五条第一項の保険料を同法第百六十七条第一項等の規定により報酬等から控除するに当たっての御指摘の「控除額の内訳として、子ども・子育て支援納付金に充てるための被保険者からの徴収額」の通知に係る取扱いについては、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案(第二百十三回国会閣法第二十二号。以下「改正法案」という。)の成立後、改正法案第二条による改正後の健康保険法の規定の施行に向けて検討する事項であり、現時点でお尋ねについてお答えすることは困難である。